毎朝の散歩道で楽しませてもらっているオオウバユリ、
ここ数日でほぼすべての群落で各個体がいっせいに「開花」しています。
写真のように、いかにも「ユリ」の花の一種族であることがあきらかな花弁ぶり。
下の写真のような「群落」として目立ってきた次第です。
こういう状態になると、多くのみなさんが足を止めて観察される。
きのうも中高年のご夫婦の散歩中に遭遇。
わたしが「定点観察」している様子をご覧になって話しかけられてきた。
「これは、ユリですよね?」
「そうです、オオウバユリという自然保護された自生植物ですよ」
と、その根茎部分に堆積するデンプン質がアイヌのソウルフードだと説明。
いたく関心を示されたので、つたない説明をさせていただいた。
「いったいどんな味覚がするのでしょうか?」
「一度、苫小牧駒澤大学でのイベントで食べたことがありますが、・・・」
と話したら、目を輝かせて興味津々。
「わたしの味覚からすると、やや淡泊すぎて」と。
おふたりともワクワクと、強く興味を持っていただけたようでした。
お話の感じでは、北海道在住者ではなく本州地域から転居されて早々の様子。
この円山自然林の「価値」について認識を新たにしてくれたようでした。
地元人間としては、このように情報拡散できることはウレシイ。
群落は円山のふもとの川辺に沿って自生している。
たぶん和人社会がもっと興味を持っていたら、栽培食物として
DNA改造に着手して畑で大量生産させたものかも知れないけれど、
歴史経緯としては、そのようになされることはなく、
まるで円山自然林の「シンボル」的な存在として存続してきた。
写真のような、やや疎とはいえ、けっこうな密集群落ぶり。
こういう状況を見て栽培食物として利用しなかったことがやや不思議。
アイヌの人々も一定の耕作は行っていたはずですが、
そういう興味からもややズレがあったのかも知れません。
ただ、自生地は湿潤が条件なので定住地周辺には適さなかったのか。
たしかにソウルフードではあったけれど、主要デンプン質とまではならなかった。
アイヌの食習慣というか、婚礼時に「コメを山盛りでたべる」という
「伝統」があったとされていますが、
和人社会との「交易」でより刺激的な「コメ」文化に遭遇することで
地元の食材としてそこまでは有用性を持たなかったのでしょうか?
そういった文化経緯を経ていまわれわれは、
ごく自然で悠久な大地のいとなみを現代でも体験できている。
オオウバユリの群落が200万都市の中心に近いところで触れられる。
このことの方が、社会文化としてはきわめて価値が高い。
個人的にはそのように考えてきております。
夏の札幌。ビヤガーデンもいいけれど、こういう自然植生も楽しんでいただければ。
Posted on 7月 14th, 2020 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 日本社会・文化研究
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