日本建築学会前会長の吉野博先生が主宰する東北フォーラムから
ふたたび新型コロナについての情報発信がされました。
そのなかで、東北医科薬科⼤学医学部 感染症学教室特任教授
東北⼤学名誉教授 賀来満夫先生からの「市⺠向け感染予防ハンドブック」が
情報発信されていましたので、ぜひダウンロードください。
コロナウイルス感染予防ハンドブック-CoV-2_20200402
<クリックするとPDF文書がダウンロードされます>
感染症についての専門的知見に基づいて平易に解説されているので
冷静な対処法が一般人にもとてもよくわかりやすい。
事柄は感染症の対応であるのですが、
当然ながら国家単位で対処していく以上、政権が矢面に立つことになる。
国民とその国の政権とは、緊急時に当たってはある程度は「相互信頼」が必要。
そのために民主主義的なプロセスでわれわれは権力を「委任」している。
危機に当たって基本的には政権は透明な対応をする必要があり、
国民の側も大枠ではその対処方針を受け入れる必要がある。
細部に批判ばかりをしていては、社会不安ヒステリーばかりが昂進する。
結果として国民の生命と健康を守ることも難しくなる。
社会の側、国民の側で冷静な対応が何よりも必要だと思う。
今回の対応を見ていると、政府・厚労省が感染症の「専門家会議」を組織し
その意見を最大限に尊重しながら対応策に当たっているのはあきらか。
政権の対応が問題だと思えば、次の選挙で遠慮なく叩き潰せばいい。
しかしそれまでは、最低限の規律を守っていくべきだと思います。
今回、東北フォーラムからの情報発信ではドイツ・メルケル首相のメッセージが
同梱されて送られてきていた。印象的なコトバは、
「噂を信じないでください。公的機関による通達のみを信じてください。」
わざわざこういう文言が入っていることが、ドイツ国内の状況をも示している。
どこの国でも似たような状況にあることが見て取れる。
民主主義国家では政権への反対勢力は必ず存在するし、言論の自由もある。
悪意の憶測とか「ためにする」非難などの暴風もあるのでしょう。
そういうなかで為政者は、透明な姿勢から信じ得る対処法で戦っている。
危機に当たってはやはり社会の「自制」がなにより重要なのだと思います。
LINEが厚労省に協力して2,450万人の調査を行った。
この調査に深く関わった慶応医学部医療政策・管理学教室教授の宮田裕章教授が
FORBES JAPANというメディアのインタビュー
検査が少ない日本の貴重なデータ、LINE調査で分かったこと に答えていた。
〜第1回調査の結果では、4日以上発熱していると答えた人が全体の0.11%、
2万7000人。もちろん4日間発熱が出たからといって、新型コロナウイルスに
感染している訳ではありません。新型コロナウイルスの感染の実態を把握するには、
本来はより多くの方にPCR検査を行うことや抗体検査を実施することがより正確な
アプローチ。しかしPCRを多くの人に実施する体制が整っていないし時間がかかる。
また抗体検査も精度に課題があり、時間とコストがかかります。
このような中で出来る限り早く日本の実態を把握し対策を打つために用意したのが
今回の調査です。〜と紹介されている。さらに、
〜この調査を実施したもう一つの背景としてはその時点で政府は感染が確認された
患者(PCR検査の陽性者)を軸にした限られたデータしか無かったため、
「その外側」の状況が分かるデータを補完する必要があったということです。
日本は当初の方針でPCR検査の実施を一定の基準で絞っていたこともあり、
基準の中で陽性と判定された人以外でどれほどの人に、関連症状があるのか
分かっていませんでした。外側の状況が分かると医療需要の予測に役立ちます。〜
とのこと。わたしもLINEの調査には協力して回答しましたが、
これはこれで日本の専門家会議の対ウィルス戦略ではあると思われました。
ここまでの専門家会議の戦い方の結果として、日本は死者数が劇的に少ないし、
軽症や無症状感染者を個室ホテルなどに「隔離」する体制も整備してきている。
第2波の原因も3月末の花見や転勤時期に伴う「会食機会」と国外からの感染流入が
重なったと要因が比較的明確とされていた。ぜひこの記事を参照下さい。
冷静な科学的対応を保っている感染症対策の
専門家のみなさんの戦い方の効果あることを願っております。
情報の大洪水なので、いっそう科学的で冷静な情報への選別眼が求められます。
Posted on 4月 14th, 2020 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 状況・政治への発言
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