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【空間の機能融通性と「平屋」くらし】

きのうから連休後のスタートであります。
スタッフも揃って、活気あふれるオフィス環境が2−3階で展開している
Replanハウスの現在であります。
で、わたしは今回リノベで1階に住居部分を限定しました。
地べたと水平に暮らす、いわば「平屋くらし」に移行しています。
最近、といってももう7−8年前くらいから戸建て住宅では
平屋のリクエストが非常に多くなってきた。
2010年の夏-秋の号で「あこがれの平屋」という特集を組んだら
みごとに「完売」を達成した。
「いごこちのよさ」とはそれまで、そのまま面積の広さだ、
というような固定観念に強くとらわれ、大きいことは良いことだと考えていた
作り手に対して、市場の側から「それちょっとヘン」と言われたような衝撃。
ウサギ小屋というように日本の家のことを欧米から揶揄されている
というような「欧米思想」崇拝が支配的だった日本の戦後社会にとって、
ある意味の転換点とも思われた次第です。
そういえばそういった欧米思想的傾向、別に欧米人でもない日本人が
日本のことをけなすような傾向に対してハッキリとヘンだと
言えるようになったのも、その頃からかも知れない。
日本人は日本人的な暮らし方があって、その生活文化への郷愁がある。
けっして多層階的な都市集住ばかりではなく、
コンパクトに集住する「町家」的な暮らし方も好んできたのだ、といった叫び。
平屋への感受性には、そんな部分を感じさせられている。

で、今回住宅部分としては思いっきりコンパクトに、
約25坪程度の平均的マンションサイズに住空間を絞り込んだ。
で、地面と同じ目線で日常生活を営む「視点を得た」。
・・・なんですが、不思議と「狭さ」はそう意識しない。
微妙に違うのだけれど、コンパクトと狭さの違いとでも言った事柄。
面積とか広さという概念と平行して、機能性の圧縮、空間性のコントロール
といった側面が大きいのではないかと気付き始めている。
たとえば同じ空間でも機能別の「仕分け」意識があれば、
倍にも3倍にも空間機能を活用できる。
むしろ、面積が広いだけだと、そういう空間コントロール能力が鈍磨する、
そんなふうな感じ方の方が強くなってきています。
それと今回、出入り口も2ウェイで使える勝手口的土間物置が活きてきている。
いわば空間性の「融通性」が非常に増えてきた。
「これにしか使えない」という空間ではなく、
多様な機能を仕込んである融通無碍な空間という志向性。
どうも日本人にはこういった空間感受性理解が非常に深いのではないだろうか、
あらためて、そんな感じ方を抱いてきています。

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