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【北海道での木製3重ガラス窓の歴史】

既報のように昨日から関西に入っております。
各所を行脚して、いろいろな情報交換をさせていただいています。
そうすると、やはりマーケットの違いを実感させられることがある。
きのう話が盛り上がっていたのは、窓のお話しであります。
いわゆる「高性能窓」の流通価格に極端な違いがある。
それで逆に北海道の市場構造の先進性をあらためて実感させられる。

北海道ではもう30年以上前に建築家たちが
比較的に容易に高断熱高気密住宅が建築できた
「ブロック2重積み工法」住宅に取り組んでいた。
高断熱高気密研究を実践的に研究されていた北大・荒谷登先生自邸などで
盛んにこの工法で住宅が建てられていたので、一種のブームだった。
鎌田紀彦先生も室蘭の自宅はブロック外断熱の住宅だった。
関西地区で安藤忠雄がコンクリート打ち放しの住宅を建てていた時期に当たる。
ブロックは施工的に容易に「気密化」が可能であり、
その外側で断熱するのもラクで非常にカンタンに外断熱住宅ができた。
手順としては「断熱層を保護する」ために外に通気層を設け、
外壁はどんな素材でもよく、多くは連続する工事になるブロックが選択された。
わが家の場合はより個性的にレンガを積み上げたりした。
そのときに、よく似合う窓がなかなかなかったのです。
樹脂のペアガラス窓が現実的だけれど、
ブロックの重厚さに対してデザイン的なチープさは否めなかった。
そんな状況の中で、木製窓が彗星のように北海道にもたらされた。
スウェーデン在住の日本人建築家がアシストして、
現地で製造されている木製3重ガラス窓を直輸入してくれた。
高価にはなったけれど、性能との見合い、
デザイン的な圧倒的迫力などを考え合わせれば魅力的で、
多くの建築家がこの窓を導入した。
その結果、価格も低廉化してさらに導入が進むという好循環が始まった。
また、ブロックのセンチ寸法単位は輸入の木製3重ガラス窓と相性が良く、
建物に奥行きのある陰影を作ることができるようになった。
北欧のパインは油分や年輪の堅牢さなど、窓材としての耐久性も高かった。
こういったデザインと性能要件の2重の奇跡が相まって
北海道だけが治外法権のように窓の性能が急速に向上した。
そのことも与って、木造建築でも樹脂サッシ化が進み
小さなメーカーでも高性能の窓で市場シェアを獲得するマーケットができた。
日本の一地域でそういった市場変化・革命が起こったと言って良い。
その結果、激しい市場競争で高性能化と低価格化が同時進行した。

こういったことについて、情報がたしかに不足しているのかも知れない。
わたしどもReplanでも、この北欧の日本人建築家
笠島氏へのインタビュー記事を掲載したりした。
もう26-7年前になる。そんなことで、北海道ではユーザー段階でも
こういった窓の革新について一定の理解が存在するけれど、
関西でヒアリングしていて、彼我の認識の相違に愕然とする。
窓についての市場構造が数十年の単位で遅れているのが現実なのでしょう。
いま、YKKの430シリーズがようやく市場構造に変化をもたらせているのが、
実態としての「風穴」であるということのようです。
このような状況をどうやって「革新」していくべきか、
はやくも具体的問題に直面させられる思いであります。
さしあたり、笠島さんのインタビューなど再度情報発信してみたい。
住宅の情報が果たすべき役割には実に多くのことがあると実感する次第。

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