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【北海道の合理主義的屋根スタイル】


札幌の積雪が50年ぶりに95センチを越えるという状況。
きのうは、窓外を見る度に夫婦でため息。
一昨日は会社の忘年会から夫婦で帰ってきて(共働き)
夜11時過ぎに家の前を除雪しておいたのですが、
その分量とほぼ同様程度の積雪がきのう朝までに降り積もり、
朝一番で再度の家のまわりの除雪。
会社駐車場の方は、この2回分の量がそのまま積雪していたので、
4躯が足下が怪しくなるくらいの積雪深をクルマで踏み固め。
とりあえずの足場を確保しましたが、
とても手に負えないので、業者さんに連休中に除雪を依頼。
しかし、降雪は一向にやまず、その後も自宅周辺を断続的に除雪。
「食事前の除雪よりも、食事後の方がダイエットになる」
というカミさんの情報に基づいて、夕食後、シメの雪かき。
こんなステキな休日を過ごしておりました(笑)。
ンまぁ〜〜、よく降ってくれます。
1枚目の写真は近くのDIYショップに長靴を買い求めに行った帰りに
その近隣の住宅の屋根雪が面白い形状を見せていたもの、
三角屋根の頂部から雪割りされて、左右に雪が落ちて行っているけれど、
どうも雪質が粘度を持っていて、
北海道の通常の軽い雪ではただ落ちていくのが、
今回の降雪では比較的高温の気温だったので、
こんなしぶとい雪になっているようです。
2枚目の写真は、現代の北海道の屋根の主流のフラットルーフの当社屋。

北海道の家づくりでは、この雪対策が大きな部分。
建物の設計を考えるときに、絶対的与条件として不可欠です。
1枚目の写真のような状況の場合、
このいまにも滑り落ちそうな雪の「堆雪」場所をこの先に考える必要がある。
札幌の街割りの原型では1戸あたりの面積を500坪と設定していた。
そしてその外周に回した道路も、最低の「小路」で8m、
一般的には20mを設定していたとされるのは、
こういった「堆雪」場所の確保が要因。
それが十分に確保された上でないと、こういった屋根はありえない。
でも都市型密集地域である札幌市街地などでは、
土地の狭小化が進行していくので、それへの対応が建築に求められる。
そこで屋根が陸屋根志向になっていった。
いわゆる無落雪屋根で、当初は断熱の不良もあったので、
屋根面に室内の熱が伝わることを半ば前提にして、
融けた雪をドレンパイプで落とすという「樋」の発想で対応したけれど、
これは凍結などさまざまな問題を引き起こして徐々に廃れていった。
いまは、ほとんどがほぼ断熱された屋根面に雪を乗せたままの
フラットルーフが主体になって来ている。
季節風が雪を吹き飛ばすと同時に、暖気が雪を融かしてくれて、
若干の傾斜角度に沿って融雪水が落ちていくという考え方。
そういう選択の結果、積雪荷重に耐える陸屋根スタイルに落ち着いてきている。
その様子をみて「内地」の建築関係者からは違和感も持たれる。
これはデザインの志向性というよりも、
いわば北海道・札幌の都市生活が生み出した合理性選択での
いわば、地域「スタイル」なんですね。

さて、きょうもまた軽い積雪があったので、雪かきに出動であります。
どうせなら、ルンルン気分で頑張るぞ。

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