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世界遺産・河回村と現代集合住宅群

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きのうは今回の旅のメインイベント、
世界遺産に登録された安東市豊川面河回洞、河回村視察であります。
若干の説明をWikipediaより。
〜この村は、16世紀に豊山柳氏の一族によってつくられ、
その後同族集落として存続してきた。現在も、約180戸ある村の住人の7割は
豊山柳氏である。豊山柳氏からは朝鮮王朝中期の儒学者・政治家である
柳雲龍・柳成龍兄弟を輩出している。豊山柳氏宗家(柳雲龍の末裔)の屋敷である
養真堂や、柳成龍の住居であった忠孝堂など、両班の暮らしを窺うことのできる
瓦葺きの古い建築や、藁葺きの家々が数多く保存されている。
河回村は2010年7月31日、慶州市の良洞村とともに
ユネスコの世界遺産に登録されている〜ということです。

わたしのようなエトランゼから見る視点では
こういった黄土と木造軸組工法を組み合わせた住宅デザインは
いかにも東アジア世界での普遍性を感じさせてくれる。
農村のありようとしての「集村」形式でしかも名の通り
河によって大きく丸く縁取られて農業用水水利も確保され、
一定の高台も集落内にあるという立地は、人間環境として合理性を持っているし、
インターナショナルにもわかりやすい、風水的理想環境。
この地から多くの有力者を輩出したそうだし、
まことに東アジア人としての文化的共通性を深く感じさせてくれる。
1番上の写真はいまも居住されている有力者の家で、門塀のみごとさは、
まことに蠱惑的ですらある。

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塀には周辺から出てきた石が黄土によって塗り固められ
徐々に上部に向かって木組みの美しさに移行していく。
頂部に瓦が被覆された、統一感の取れたデザイン構成に圧倒される。
こういった美しさだけでも、やはり日本の古民家などのデザインとも
大いに対話させてみたくなる佇まいを見せてくれている。
世界遺産登録以降、注目度が一気に高まり、
韓国国内からも観光客が引きも切らないとされているようです。
こういった伝統的な住宅の美観が、温故知新として、
現代の人々に大いに再発見されていって欲しいと念願します。
日本の例で言えば、こうした古民家建築の端正なDNA的な美観が
ある共通認識に至っている部分があると思われます。
しかし韓国では、一方でコンクリート建築が住宅を席巻している現状がある。

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ちょっとした都市では写真のような高層集合住宅が密集している。
大陸的な地盤で地震の少ない事情も反映して、
土地利用が高度に集約的な住宅建設に一様に向かっている。
たしかに住宅としての合理性・合目的性から考えれば
こういった集合住宅への集中は理解は出来るのだけれど、
人間居住環境として、どうであるかという意味では、
ある意味、疑問も感じざるを得ない。
韓国の一般のみなさんはどのように感じられているのか、
もうちょっと知りたいとも思ったポイントであります。

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