さてきのうから十勝に来ております。
で本日、大樹町でLIXILさんの実験施設「メムメドウス」での
コンペ作品発表会の様子を取材する予定。
このコンペ説明会には、東大の隈研吾さんが審査員として
趣旨説明もされる予定ということで、
いま国立競技場コンペの渦中の方でもあり、
楽しみにしております。
ということで別件の用事もあって、前日に十勝に入ったのですが、
そこに主催者側から、「実はまだ、コンペ最優秀作品の
施工が終わっていなくて・・・」というお詫びの電話が
入っていたと言うこと。オイオイ、というところでありますが、
いまさら引き返すわけにも行かない(笑)。
ちょっと珍道中になるかも知れませんが、
さてどんな取材行脚になるか、未知との遭遇であります。
しかし、隈研吾さん設計の実験住宅もあるので、
久しぶりに見させていただくいい機会にもなります。
このブログでは数年前に紹介もしていますが、
再度、いまの状況もお伝えできるかも知れません。
アイヌチセに着想を得た2重皮膜のテント構造建築です。
お楽しみに。
という次第ですが、きのうは十勝の住宅建築関係2社に訪問。
別案件についてお話しさせていただいていたのですが、
やはり話は、そういった目先案件を超えて、
今後の住宅業界の市場動向に展開していきます。
まぁ、表題のようなニッポンの課題に集中していきます。
「課題大国」とまで、東大・前真之先生からは表現されていますが、
少子化・人口減少問題は、ニッポンの端部、
地方に於いてどんどんと表に表れてこざるを得ない。
地域住宅企業にとっては、その顧客である地域経済の先行きに
展望を持ちにくい予測だけが広がっている現状。
人口減少を見据えて、企業側からすると、
設備投資などの前向きな姿勢はどうしても取りにくい。
たまたま当社の韓国人スタッフと同行しているのですが、
やはり適正な人口流動を少なくとも近隣国との関係で
図っていく方向しかないのではないかと思います。
東アジア地域で経済民主主義が一番進んだ国家地域として、
日本には層の厚い中小企業群が力強く存在している。
それぞれの業界の先行きは不透明感が漂っているとは言え
隣国の状況などを聞くに付け、ニッポン経済の底力は、
こういった草の根的な中小企業群が支えていると感じます。
これも司馬遼太郎さんの著述からになりますが、
日本が他のアジア国家とは違って、
驚異的なスピードで欧米に追いつき得たのは、
頼朝以来の「封建社会」を構成した分権的な「一所懸命」思想、
きわめて健全な封建主義・自立主義が成立していたからこそ、
そのあとの「民主主義」的発展もあったのだと。
恐竜の絶滅以降、コンパクトで自立的な小型哺乳類が
大活躍したように、ニッポンの中小零細企業には
こうした激変期も生き残っていける底力はあると信じます。
上の図は、先般のカナダセミナーでのプレゼンより。
リーマンショック以降の、アメリカ不動産市場の激減ぶりが
一目瞭然ですが、それぞれ突破口を作りつつ
現状に立ち向かっている様子も見えてきます。
生き残りへの強い意志を持ち、状況の変化に柔軟に対応しながら
激変期は乗り越えていくしかないのだと思います。
Posted on 12月 2nd, 2015 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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