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日本建築の木組みの技術

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先日の東京出張時、時間を縫って訪れた「歴史民俗博物館」。
展示されている歴史的知識の積み重ねに比較して
発表資料の少なさは、ちょっと拍子抜けするほど。
大体の博物館では、その収蔵展示物の詳細な紹介本が出されているものなのですが、
って、それを購入して、再度確認するのがわたしの見学スタイルなのですが、
そういう刊行物がない、ということ。
パンフレット的なものくらいしかなくて、
追体験しようと考えても、そのよすががなかなかない。
ホームページなどで、閲覧確認するくらいなのですね。
でも、そういうのではまったく全体像は見えてこないですね。
豊富に展示されている「ジオラマ」が特徴的ですが、
そういう復元展示模型の作成に至った「知のプロセス」なども知りたい。
常設展示の方は、一部、皇室が関係するとおぼしき資料部分については
「撮影禁止」の処置が散見されましたが、
大部分は撮影しても構わないと言うことですので、
カメラで収めていくのがやり方ということになるでしょうか。
歴史研究についての各大学のセンター的な機能も持っているそうで、
最新の調査研究の成果が反映される、むしろ、そういう部分で、
総体的な刊行物を出しにくい、ということかなぁ。
まぁ、それにしても展示の仕方も一般にわかりやすく
ジオラマや、展示模型が詳細で、具体的イメージがつかまえやすい。
本当に歴史好きにはたまらない環境が整っています。
できれば、1週間くらいは通い詰めて、
詳細な「取材」をしてみたいと思っています。
写真は、仕事にも関係する部分で展示室のアプローチに置かれていた
「根来寺」の構造模型展示。
たぶん、建築歴史に専門的に取り組んでいる研究者たちの調査成果なのでしょうね。
まさに日本建築の木組みの美しさを端的に見せてくれる模型。
アジア文化世界の最終的到達地域である日本が、
仏教というこの地域で繁栄した思想表現をどのように感受し、
建築としてどのように表現してきたのか、
その技術の断面を表していると感じます。
四角の中に丸い平面を調和させ、せり上がりの美しさを感じさせる
テーマ的な表現部分をクローズアップした次第。
住宅としては、竪穴のような住宅が一般的だった時代に
こういう木造建築は、思想とか、権威性とかを
民衆に具体的な視覚表現として、訴求させる効果があったのだと思います。
建築技術は、やはり権力に奉仕することが
発展を支えてきた一番大きな力だったのでしょうね。
こういう木組み、見ているだけでつい、時間を忘れてしまう気がします。
って、すぐに立ち止まって見入ってしまうものばかりなんですね(笑)。
ううむ、
これは困った博物館に出会ってしまったものだと思わざるを得ません(笑)。
北のくらしデザインセンター
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