生活騒音の問題って、
日本人の生活意識が変化してくるにつれて問題化してきました。
戦前までの賃貸住宅中心の住環境では、
都市型住宅であれば、あり得ないような問題だと思います。
京都などの町家形式住宅でも、隣家とは場合によっては
薄い壁一枚の隔てしかない環境が当たり前。
むしろそういう環境の中で、他者の心情を推し量る、という
日本的な精神文化が涵養されてきたのではないかと思われるくらいです。
江戸の町民も、庶民はほとんどが権利意識の薄い賃貸住宅・長屋に住んでいて
ひとつの井戸を共有して暮らしているのが生活スタイル。
そういう生活意識が劇的に変化してきたのが、
戦後の社会でしょう。
アメリカの占領を経て、個人主義的な生活文化が導入され、
権利意識というものも高まり、
同時に「持ち家化」政策が経済の高度成長とともにたいへん有効に働いて
マンションなどでも「区分所有」という概念で取引されてきた。
区分所有とは、個人の権利意識を幅広く認める考えに基づく。
極端に言えば、高いお金を払って「所有」した空間内部では
誰からの干渉も受けるのを受忍しない、という態度が広がってきた。
そうした拡大した個人主義って、
ちょっと歴史をさかのぼれば、日本人の生活文化伝統にはなかったことはすぐに気付く。
・・・はずなんですが、なかなかそうは割り切れないのが現代の状況。
っていうようなことで、建築の側で、
さまざまな防音対策の工夫が行われるようになってきている。
写真はあるメーカーが開発した木床と、構造との間に入れるクッション材。
型と強度維持が難しそうなので、高いものだそうです。
効果はある程度出るものでしょうが、
しかし、住宅110番に寄せられる騒音苦情って、
いったん、受忍限界を超えてしまってからなので、
こういう工夫だけでは、納得させられるものとも思えません。
そんなことを考えていたら、
住宅の研究組織・東北フォーラムから以下のような案内が来ました。
住まいと環境 東北フォーラム
第66回研究集会 フォーラム共催行事
橋本典久先生・日本建築学会賞受賞記念講演会
(日本建築学会東北支部60周年記念)
「集合住宅における床衝撃音性能と騒音トラブル」
橋本典久先生(八戸工業大学工学部建築工学科・教授)が
「拡散度法による床衝撃音遮断性能の予測に関する研究 」にて、
平成20年度日本建築学会賞を受賞されました。これを記念に企画された講演会です。
ご講演内容は、建築関係者だけでなく一般市民や学生向けに、
身近な集合住宅における騒音問題を取り上げていただいておりますので、
この機会に奮ってご参加いただけますよう、下記のとおりご案内申し上げます。
皆様のご参加を心からお待ちしております。
■日 時:平成20年12月5日 15:00〜17:00
■場 所:フォレスト仙台(宮城県教育会館)第1フォレストホール
(仙台市青葉区柏木1-2-45 TEL:022-271-9340)
■共 催:日本建築学会東北支部環境工学部会,
住まいと環境 東北フォーラム
■定 員:100名(申し込み先着順)
■参加費:無料
■申し込み:「騒音トラブル講演会参加申し込み」と明記の上、
参加者氏名・所属とともに下記宛にE-mailもしくはFaxにてお申し込み下さい。
住まいと環境 東北フォーラム 担当:柴田
FAX 022-221-9243 E-mail htoenv@rio.odn.ne.jp
もし興味を持たれる方は
発表を聞かれたらいかがでしょうか?
NPO住宅クレーム110番|イザというときに役立つ 住まいのQ&A
北海道・東北の住宅雑誌[Replan(リプラン)]|家づくり・住まいの相談・会社選び
Posted on 11月 1st, 2008 by replanmin
Filed under: 住宅性能・設備
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