地球温暖化問題への取り組みが、この7月の
洞爺湖サミットへ向けて、活発になってきました。
大変いいことだと思います。
国レベルでは、多くの取り組みが成されていますが、
そのなかでも具体的にCO2削減への指標のようなものの一般開示が
求められてきていると思います。
そんな考えを持ちながら、北方建築総合研究所(北総研)がまとめた冊子を見ていて、
わかりやすくまとめられていたのが、写真のグラフです。
スキャナーのない環境なので、デジカメで撮影しました。
すこし見にくいかも知れませんが、縦軸にCO2排出量。
横軸に建築の経年数を表しているものです。
札幌市内に建てられている125平米程度、約38坪の住宅で、
住宅性能としては「新省エネ」程度と、やや低レベルの住宅性能ではあります。
熱損失係数では、確か1.9程度だったと思います。
まぁ、比較的一般的に建てられている住宅に近い性能と言えます。
LCCO2とは、つまりその建築物が建てられ、使用され、やがて廃棄されるまでの
トータルなCO2の排出量を推定するもの。
この建物の場合で、50年経って廃棄されるまでに排出するCO2は約100t。
このうち、建築時には大体10t程度で、使用中が約8割を占めています。
なんと罪深いことをわれわれの「快適性」はしているのか、
という原理主義はこの場合、置いておいて、
この8割をいかに減らしていけるのか、が最大の問題。
札幌の場合は、そのなかでも「暖房用エネルギー」が6割を占めています。
ようするに、全体のCO2の半分を札幌では暖房として使う計算。
この部分が、もし半減されれば、トータルのCO2は25%も削減されるのですね。
したがって、初期投資段階で省エネ部分にお金を配分することは、
たいへん有益な方法と言えるわけです。
というふうに考えれば、まさに断熱気密は待ったなし。
より高性能な住宅づくりが最大の効果を発揮するのですね。
またそのように考えてくれば、残りの生活上のCO2源である
給湯・照明・調理、という部分にも工夫が生まれてくるでしょう。
幸い、温暖地ではエコキュートが大いに普及してきているので、
寒冷地用の性能向上が期待されるところですし、
それをにらみながら、自然エネルギーの利用を一層進めたいところ。
照明などでも、LEDなどの次世代型の研究がもっと進んで欲しいですね。
だんだん、時代はこういう工夫の時代に進んでいくと思いますし、
それを後押しする声の広がりも大切です。
にしてもこの冊子、たいへん有益で勉強になります。
素晴らしい仕事に感謝したいと思います。
Posted on 3月 3rd, 2008 by replanmin
Filed under: 住宅性能・設備
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