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サルベージショップ

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きのうフィンランドの写真を掲載したら、わかい人から面白かったという声をいただきました。わかりやすい建築のおもしろさ、ということでいいと思います。
ヨーロッパの人たちって、古いものへの愛着がすごくありますよね。
っていうか、日本以外では「オールド」というのは世界共通の価値観だと思えるほど。時間を経過してきたものはそれだけで十分に価値があると考える。家も立派だけではダメで、そのうえ「古く」なければイマイチみたいな感じがあります。それは「十分に手が加えられている」ということなのかな、とも思います。
ウチの雑誌では外国人のカメラマンとも契約していて、かれがヨーロッパ取材の時に、そうした「古いもの」を売っている「サルベージショップ」を取材してきてくれたことがあります。この写真がそうなんですが、都市の郊外の広大な敷地に、古くなって壊された家から丁寧に解体したあらゆる建築材料が集められて、これらを再利用して住宅に使おうというひとたちが購入していくのを待っているのだそうです。いかにもサルベージという語感が、ぴったり。
日本でもようやく最近、古民家が見直されてきていますが、こうした流通の形式までは育っていないので、本格的なものにはなっていない。こんな風になると、きっと古い建材を使って「自分で」家づくりしようか、とまで考えるようになるのでしょうね。
こういう流通手段が、古いものへの畏敬の念に基づいて成立している、というところにかれらの住宅文化の奥行きを感じるのは、わたしだけでしょうか?

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