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敗戦と並ぶ民族体験

さまざまな動きが始まってきたと思います。
東京電力の「計画停電」がスタートする。
これは供給可能電力が3100万キロワットに対して、需要が4100万キロワット
という需給ギャップを解消するための作戦と言うこと。
その作戦が成就できるのかどうか、
きょうの推移がきわめて重要な意味を持つのだろうと思います。
朝から電車の運休情報が伝えられている。
首都圏に於いては、JR線も大幅な運休が発表されている。
電力の大口需要者に対しての説得が行われた結果の第1弾、ということでしょう。
それに限らずこのエネルギーを1/4カットする、という事態は、
いったいどんな社会になるのか、まさに未体験の社会に突入することを意味する。
そこでどんな変化が生まれ、どんな知恵が生まれてくるのか、
あるいは、絶望的な状況が生まれるのか、
まさに「やってみなければわからない」状況に突入していく。
原発の安全性についての疑念や危惧は当然だけれど、
わたしたちの社会は、それをすでに折り込んで営まれているのも
明瞭な事実として突きつけられている。
そして日本のエネルギーは、地震によって大きく変動してしまうのも事実だと言うことが
明瞭な社会変化として現れてこざるを得ない。
昔の政治家は、鉄は国家なり、と言ったそうだけれど、
今日世界ではまさに「エネルギーは国家なり」。

報道などでようやく、起こったことはなんであったのか、が
明瞭に見えてきたと思います。
今回の大地震の規模は、まさに世紀に数回程度しか起こらない規模の
地球的変動であり、わたしたちの社会に否応ない変化を迫っているのだと
ハッキリと認識しなければならない。
やはり、大地震とその後では、社会は大きく変化せざるを得ないと思われる。
その第1弾が、この「計画停電」の実践だろうと思います。
これがうまくいくのであれば、まずは第1歩をわたしたちは踏みしめられる。
エネルギー1/4カットが実現できれば、
今日の世界が求められている省エネ・省CO2をクリアすることも視界に入ってくる。
もちろん、緊急的対応だけれど、
本当に民族的規模で、「省エネ」ということに取り組む
世界初の国家・社会と言うことになる。
そこにどんな苦痛があり、困難があるのか、最大の学習機会だと思います。
日本社会は、いまフロンティアの立場に否応なく立たされたとも言える。
しかし、日本人の優秀さは、この時こそ発揮されねばならない。
なんとか乗り越えられれば、わたしたちは大きな自信を持てるのではないか。

わたしたちが解決すべき問題はきわめて多いと思う。
住宅建築という、わたしどもの領域でも、
今回の事態を受けて、本当に緊急に「なにを為すべきか」
論議を起こして、その対策を練り上げていかなければならない。
すでに、そういう動きに着手した人からの報告も受けている。
本当の、日本人のサスティナビリティを解決できる住宅とはなんであるのか、
大きなテーマに向かわなければなりませんね。

<写真は、北総研社屋>

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