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北方型住宅eco+ チームあいの里

きのう夕方、当社2階のオープンルームで
表題の会合が行われました。
このプロジェクトは、GW相当で壁厚300mm断熱の住宅を建てる
という画期的な取り組みを行っているグループ。
中心的には、建築家の山本亜耕さんがまとめ役になっているプロジェクトです。
壁の断熱では、通常のGWを軸間に100mm充填し、
その外側に、新開発の90mm厚の発泡断熱材を付加断熱するもの。
性能的に、壁300mm断熱レベルに達するのです。
でもまぁ、実際に90mmの断熱材を付加するというのは、
在来木造構法住宅としては、施工的には実質的に初めての試みになるので、
試行錯誤を重ねながら、技術標準の開発をしながら出来たものです。
山本さんの言葉で言えば、
1年以前に取り組んだ高性能住宅が、
どうしてもコストアップせざるを得なかったことをスタートに、
どうすれば、コストを上げずに性能の劇的向上を図れるのか、
そういう志でのプロジェクトなのです。

木造建築の工務店から、温熱環境熱計算の専門家、
資材の生産者、暖房器具の生産者などなど、
今日の北海道住宅技術の最先端のみなさんの結集体。
北海道では、いまや、こういった技術要素を組み合わせて
住宅が考えられていく必要があるのだ、ということが実感できる。
まずは、基本的な「駆体」の性能をどう担保するのか、
ということが大前提。
住宅は、永く存続していくべきものであり、
もっとも変化しないベースを作り出す必要性がある。
その上で、出来上がったエネルギーを充分コントロールできる環境に
似合った、ベストマッチの設備機器を検討していかなければならない。
より小さいエネルギー出力、具体的には
微少燃焼という暖房設備というのは、
逆になかなか難しい技術なのだと言うことも見て取れます。

そして、こういった各分野についての
建て主さんの理解力も必要になってくる。
日本では、注文住宅が基本であり、
基本的なデザインや、間取り、仕上げなど、
個別のオリジナリティを求めるユーザーが多いのが現実。
そういうなかで、ユーザー側でも、
こういった技術の組み合わせに対する価値判断力のようなものが
徐々に育ちつつあるのだと、感じられます。
注文住宅とはいっても、その表層的意匠性にだけ目が行っていたのが
これまでのユーザー心理であったのが、
そういうレベルだけではなく、
技術要素に対しても、「作り出す」という意味合いが強まってきている。
住宅の色合いを選択するのと同じように、
室内空間の温熱的な空気質や「体感」までも、判断する感受性が育っている。
また、そのような選択が重要になってきている、とも言えますね。

そういう意味では、
ほんとうに北海道の住宅はレベルが高くなってきている。
そういうことを実感させられた会合でした。

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