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【新型コロナ感染の家族・在宅隔離の換気対策】


さて、きのうの続きであります。
8月19日日本建築学会発表からの広報拡散です。
住宅における換気によるウイルス感染対策について
〜一般社団法人 日本建築学会 換気・通風による感染対策WG〜の情報発信。
(リンク先からpdfデータがダウンロード可能。詳細はこちらで確認ください)
きのうは緊急的・実戦的と思われる「機械換気のない住宅での対策」でした。
エアコンを利用して気温を低下させながら適度の「窓開け」換気を確保することで、
コロナ感染症と熱中症に対応する作戦。
東京都内や関西圏などの公共交通機関では電車車両でエアコンを効かせながら
同時に窓をほんの少し開いて換気対策していますが、アナロジーとして同様。
イメージとしてはあの比率程度の窓開けとエアコンの利用で
コロナ対策と熱中症対策が同時にクリア可能とされている。

で、本日はもっと状況がキビシくなって、家族が感染した場合の対応策を紹介。
一般的には借り上げホテルなどで「隔離」されるケースが多いと思いますが、
やはり住宅建築、とくに計画時には万一の対応は考えておかなくてはならない。
期間的には寛解に要する時間は個人差もあるけれど、おおむね2−3週間といわれる。
家庭で療養する感染者は無症状や軽症が多いと予測されます。
まずは、感染した家族は個室に「隔離」する必要がある。
適切な「ウィルス管理」、相互距離確保で注意しながらの暮らしが肝要。
こうした場合「トイレ」が複数確保できているかどうかが、まずは重要ポイント。
既存住宅の場合、このポイントがどうかによって対応が変わってくる。
隔離とは言っても感染者にもトイレ利用は絶対必要。
家の中でトイレが複数ある場合は、感染者専用のトイレと非感染家族分とに分ける。
上の図はこうした対策での家のなかの「ゾーン仕分け」の考え方。
トイレが感染者専用を確保できて、なお動線的にも仕分けする、というのが
基本的な対応方法と言えるでしょう。
感染者個室と専用トイレとの距離、動線の仕分けが可能かどうかがポイント。
その上で「動線配置」をよく考えて、感染ゾーンと非感染ゾーンを仕分けること。
仕分けのための「仕切り」はビニールなどでのDIYが有効です。

そして換気で大切なのは、給排気で「排気」側に感染者個室を位置させることです。
2003年7月に建築基準法が改正され、シックハウス防止対策として住宅の居室には
換気回数0.5回/h以上の設備容量を持つ換気設備設置が義務付けられています。
現在で築後17年程度の住宅では基本的に装備されている「ハズ」。
(北海道など寒冷地住宅では換気は基本要素なのでそれ以前から相当普及。)
一般的な3種換気住宅の場合、おおむね各室に「給気口」が装置されているので、
その「開口」を利用して、局所排気ファンを追加で上履き的に装置させることで、
感染者家族の隔離室を「陰圧」に維持することができます。

この隔離室が家の中で「風下」として換気的な位置付けになるということ。
上の写真は、その設置方法を写真説明的に紹介しているもの。
そのように隔離室の環境をしっかり確保することが基本対策。

新型コロナは、最近の傾向として重症化率がやや低減化していますが、
情報では対症療法的な部分で経験値がかなり蓄積されてきているとされる。
熱中症の方が死者数ははるかに大きく上回っているのが現状。
迷惑なウィルスですが、簡単には消え去ってくれない以上、冷静に賢く対処することが
きわめて大切なことではないかと思います。
家での万一の場合の対応まで考えることで、注意深い暮らし方が身についていく。
そう考えて「新しい暮らし方常識」を身に付けていきたいですね。

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