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【ウィルス活性維持期間:プラスチック3日>段ボール1日】


先日ご紹介した空気調和・衛生工学会の「換気」4/8付情報発信資料
新型コロナウイルス感染対策としての空調設備を中心とした設備の運用について
<リンク先からダウンロードいただけます。>
ようやく読み込みできました。で、いくつか興味深い点に気付かされた。
新型コロナウイルスの感染経路は,飛沫感染と接触感染とされるのですが、
一方これまで得られた知見から感染者からのウイルスを含むエアロゾル粒子は
気中を浮遊した状態で3時間以上活性を保つ可能性があること。
換気回数が多い室空気中では活性のあるウイルスが容易に観測されない。
従って換気を確実に実施し可能であればできるだけ換気量を多く保つことが、
感染リスクの低減につながる可能性がある、としています。

図は今年1月〜2月にかけシンガポール新型コロナ患者収容施設に収容された
3名の患者の隔離室を対象としたウイルス活性に関する調査状況。
隔離室の換気回数は12回/h、室の殺菌クリーニングは毎日実施され
1人のサンプルはクリーニング前、2人のサンプルはクリーニング後に採取され,
表面サンプルと空気サンプル収集。前者患者の症状には上気道病変はあるが
発熱・下痢はなく、後者の患者は中程度の症状でせきと発熱があった。
クリーニング前の患者の隔離室から採取した表面サンプルの多くには
トイレで採取のサンプルを含め活性があり患者の便からも活性ウイルスが検出。
空気サンプルの活性はなかったが排気口表面からのサンプルには活性があった。
クリーニング作業後の隔離室からのサンプルには活性を示すものはなかった。
この調査結果により、
●新型コロナウイルスの感染者が居住する室内表面は広範に汚染されるが、
適切な消毒クリーニングによって汚染は除去されること,
●ウイルスを含むエアロゾル粒子は活性を維持した状況で排気口まで移動するが、
十分な換気を行うとその気中のウイルス濃度は効果的に希釈されること,
●また感染者の排便が感染経路となる可能性のあることが分かる。

さらに興味深い調査結果が以下のように記述されています。
〜研究チームはSARSウイルスと新型コロナウイルスの
●エアロゾル粒子中●プラスチック●ステンレス鋼●銅●段ボール上での
活性度の維持に関する比較実験を行った。その結果
●5μm未満のエアロゾル粒子は実験時間3時間を通して活性維持され、
●ステンレス鋼とプラスチックでは3日間、
●段ボールでは1日未満、●銅では4時間未満維持されることが分かった。
この調査により新型コロナウイルスの感染経路としてウイルスを含む
エアロゾル粒子による感染とモノ表面からの接触感染の可能性が示唆された。
〜とのこと。
接触感染は飛沫と並んで最大要因と思われますが、そのモノの上での
ウィルスの「活性維持」について注目すべき知見ではないかと思いました。
段ボールより化成品のプラスチックの方が長期に活性維持されることは、意外。
一般的に「容器」などはプラスチック製品が多いので、
安全側で注意した「除菌」習慣が望まれるということは言えますね。
防疫・除菌の際の参考になる知見と思われました。
わからないことの多い新型コロナウィルス、
これからも科学のメスに大いに期待したいと思います。

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