きのうはカミさんと同行で十勝へ出張。
1日早くの仕事復帰ですが、わたし自身は往復の運転ヘルパー。
ということで、カミさんが探してくれたランチ店舗がこちら。
わたしも何度か訪れていることを思い出した店でした。
北海道十勝は、開拓の歴史では民間主導型でした。
江戸期から入植の進んだ道南や、
囚人労働などで基本の開拓が行われた道央道北地域とは違って
「晩成社」という独立的な民間開拓団が日本社会から資金を募って
この地域に開拓の産声を上げていったとされている。
開拓初期からコメ生産ではなく畑作中心の農業を目指してきて
いまでもほとんど水田がない、独特の農業景観。
住宅についても早くから軸組木造よりツーバイフォー工法が定着した。
きびしい寒さから人間の暮らしを守るのに、より合理的な工法へと
地域として大きく舵を切ってきた歴史がある。
いまではツーバイフォーの方が「在来工法」とまで言われる地域。
・・・なんですが、開拓初期からそうだったのではなく、
初めはいわゆる日本社会的な木造軸組構法の建築も多く建てられた。
しかしそれは寒さの代名詞みたいな状況で、
多くはうち捨てざるを得なかったということだった。
ツーバイフォーの家が合理的ということで多数派になってきた、
ということが十勝では住宅シーンで展開してきたのですね。
しかしそうは言っても、日本人的ノスタルジーはある。
多くはないけれど、日本的古民家のたたずまいへの希求もなくはない。
そういった店舗としてこの古民家風店舗は比較的に有名なんですね。
ただし、古民家には周辺景観として田んぼの風景が似合うけれど、
十勝ではこうした店舗が、広大な畑作地域に存在している。
また広大な十勝では珍しい「段丘」を背にして林が背景になっている。
このお店は中札内から移築されていまの芽室町にあるとのこと。
お店自体は大手企業勤務の脱サラ組が起業してのもの。
2017年に店主が交代して、いまは2代目として継続しているとのこと。
十勝には新得という蕎麦の産地もあります。
コメはほとんどないけど、蕎麦はある。
こういった地域性の中でのいかにもニッポン的古民家風そば屋さん、
頑張っていって欲しいなぁと、いつも思っています。
店名の(笑)というのは、実際にそういう書き方ですので、
わたしの書きクセではありません。念のため(笑)。
Posted on 5月 7th, 2019 by 三木 奎吾
Filed under: 日本社会・文化研究
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