北国札幌では年間積雪は6mを通常年では超える。
そういう積雪が道路上でクルマなどに踏み固められて、
春先まで「岩盤状」の氷塊となって残留いたします。
まぁ放って置いてもそのうちには春の気温上昇とともに消える。
のですが、そこは生活者として座して待つ気持ちにはなりにくい。
「春よ来い、早く来い」という内奥から突き上げてくるDNAがこだまする。
北国的男子、と書くと性別によるなんとかと言われるかも知れませんが
やはりツルハシなりの道具を引っ張り出して
この氷塊の破砕作業に無性に駆られるのであります。
肉体的にはメンドイのではありますが、
あの「パカッ」と氷塊が割れて路面の地肌があらわれる瞬間は、
なんともいえず、深奥からの快感を刺激される(笑)。
ただしやはり肉体的には肩や腰、その他筋肉痛の原因になりやすいので、
数日間いやそれ以上の期間をかけて、徐々に作業を進める。
ことしは暖冬で推移して終わりそうな冬なのですが、
それでもそこは慎重にムリをせず、途中何回かの
出張を挟みながら、2週間以上かけてやっておりました。
で、昨日ついに一気に延べ10坪程度の氷塊を破砕させた次第です。
写真上のように、ツルハシは棒状のものでして、
これは昔のサムライの武具で言えば長槍くらいの感じ。
たぶん長槍よりも先端部の金属部分が重量感のある鉄塊。
垂直に振り下ろすと、みごとに氷塊が断片化していく。
これは路面の温度上昇によって氷塊との間に水分が入ることで、
割れやすくなってくれるのですね。
こうして破砕された氷塊の断片をより細かく砕いて、
クルマで「押しつぶす」のであります。
そうすると、温度上昇もあってほどなく湿った雪になっていって、
やがて水に戻ってくれるという輪廻をたどることになる。
クルマのタイヤで押しつぶすときに「ボスボスッ」という
独特の音が発生するのですが、これがまた北国人のDNAにここちいい。
札幌は転勤族の町でもあるので、本州から来る人には
こういう氷塊が路上にあることに抵抗を感じる人もいるかもしれないので、
自分のクルマでおおむねの押し潰しをするようにしています。
しかし北国人としてはどこかでこういう氷塊に遭遇すると
「おお、やった」という心理が沸き起こって「ボスボスッ」音を
心から楽しんでいるところがあります(笑)。
ということで、本日からふたたび出張ですが
なんとかそれまでにご覧のような「雪のない」建物に復元。
北国的男子としては、春を迎える通過儀礼を
ことしも果たせた、という安堵感を味わっております(笑)。
Posted on 3月 21st, 2019 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 日本社会・文化研究
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