仕事の関係から、わたしはいまは2拠点で暮らしています。
まぁ仙台が多いのですが、札幌とそれ以外地域とに半分ずついる。
考えてみれば、多拠点で仕事しているので当然ですね。
頻度の多寡はあってもずっとそういう仕事生活を選択してきた。
こういうスタイルを続けてきたのには
やはり移動コストの劇的な低下ということが要因として大きい。
とくに飛行機移動が大きくコストダウンした。
トータルで考えれば20〜30年間スパンで半減以下ではと思う。
それとビジネスホテルというものの普及発展も大きい。
東横インとかルートインとか、そういうビジネスホテルスタイルの一般化。
それによって旧来の「シティホテル」というものは衰退したけれど、
「宿泊可能ベッド総数」は劇的に増えてきたのではないか。
さらにインターネットの普及によって、
全国どこにいても常時接続環境がおおむね担保されたことも大きい。
インターネット普及初期、常時接続できるということから
どこでもLAN配線されていた東横インによく宿泊した記憶がある。
人間環境というものが、移動手段のコストダウンがあり、
「つながる、対話する」手段が多様に実現できた。
いまどきは移動するクルマの中から社内会議に参加することも可能。
さらにビジネスホテル的ライフパッケージの習慣化が同時進行した。
建築家の倉本龍彦さんの文章でホテルのシングルルームの思想、
というか、人間生理のパッケージ化機能という解説を聞いて
膝を打って同意させられたことがあったけれど、
まさに全国どこでもそれなりに「充足」できる体験共有化が進んだ。
たしかにスケジューリングは面倒な面があるけれど、
そういったものにもそれこそインターネットが便利な環境を
提供してきて、簡便な予約調整機能が実現している。
そういう現代人の経験値蓄積が与ってか「2拠点生活」というような選択も
人間の暮らし方として一般化する可能性が言われている。
とくにリタイヤしてからの暮らし方ではそういうのもありだろう。
すでにそういった暮らし方をしている友人も出てきている。
どうなるのだろうか、しかし全体はまだ不明だと思う。
こういう時代になってしかし、住宅というものの価値感は
いったいどのように変化して行くのだろうか、とは思う。
わたしの場合も、やはり札幌の拠点に戻ったときには
安息というか、より深い眠りに容易に落ちていく感覚がある。
移動が日常化してその環境が進化していくほどに
むしろホームグラウンド・自宅の価値が高まる可能性も高い。
自宅にいる時間の幸福感というものが、より深く感じられるのだ。
さらなる幸福感の深化のためにそこに投資が行われる、
そういった可能性もあると思われる。
人間環境の総体的変化がどういう展開になるか、オモシロい。
Posted on 3月 16th, 2019 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
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