きのう、お風呂のことを書いたら
さっそく書き込んでくれた方がいまして、
国際的な、というか、各国での入浴習慣の違いと言うことを
お知らせいただいた次第です。
その通りなんですね。
日本の住宅価格が他国と比較して高いと言われるのには
いろいろな側面があると思いますが、
住宅の性能面で考えると、住宅の中で天国のように快適な
お風呂を維持して、木造本体構造を毀損させないように配慮する必要がある
っていうような必要性も、大きな部分ではあると思います。
そうい配慮の結果、いま現在の主にFRPという石油科学系の素材を利用した
「ユニットバス」という水密性・防水性を確保した
住宅部材が開発され、ほぼ全戸で利用されているのですね。
伝統的な暮らしの中には、ここまでの水準の温浴装置が
家庭内に収納されている状況はあり得なかったわけで、
ユニットバス以前の住宅では、ほぼ間違いなく
タイルで仕上げた浴室は木造の構造に対して
致命的な「腐れ」を引き起こしている最大の箇所になっていました。
海外の住宅視察に行って、
一番の違いを感じるのも、このポイントですね。
欧米の住宅では、浴槽はあるけれど、
それに付随して「洗い場」というような場所はない。
日本では、浴槽+存分にカラダを洗う防水された区域が必要になる。
そうすると、排水とか防水とか、
構造材への悪影響を及ぼさせないように格段の配慮が必要になる。
ところが欧米では、浴槽とシャワーが一体であって、
区分けはシャワーカーテンだけで
多少湯水が飛び跳ねても、布マットなどで拭き取れるくらいでいい。
実際の施工現場の途中プロセスでも、
仕上げ前の「浴槽+シャワースペース」の下地防水状況は
至って簡便でして、若干、仕上げ素材の直下に防水ビニールを敷き込んでいる程度。
「え、これでいいの?」と日本の建築関係者は
びっくりしてしまう程度なんですね。
そういうことなので、そういうスペースの配置もきわめて臨機応変。
まぁだいたい、夫婦寝室の隣にこういうスペースを造作する。
ゲストルームの隣などにも、作る。たくさん作ってもそうコストはかからない。
この程度の下地造作でいいので、
施工単価で考えても、ごく気軽に作ることができるのですね。
それに対して、日本のユニットバスは、
ものすごく重装備。
タイル仕上げの普通浴室に至っては、大変なコストがかかる。
わが家では、そういう浴室を2階に造作していますが、
やはり、かなり過重とも言える住宅性能装置といえるのですね。
でもこういう日本の家屋に普及した習慣も
ほんのここ30〜40年くらいでのお話しなんですね。
それ以前の社会は、銭湯通いが一般的な暮らし方だったんですね。
そのように考えると、シンプル化を考えたら
世界標準的なシャワースペースというように家庭の風呂は考え直した方がいいのかも。
これから、経済も暮らし方もそうは上昇が見込めない中で
こういう習慣も見直していくべきものなのかも知れませんね。
<画像は手水石場。お風呂のいい写真がなかったのです>
北のくらしデザインセンター
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Posted on 5月 16th, 2010 by replanmin
Filed under: 住宅性能・設備
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