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江ノ電の文化性

先日行った鎌倉では、
江ノ電を利用しました。
まぁ、ほんの10数分の往復距離だったのですが、
なんともレトロな、ほのぼのとした時間感覚・距離感を味わいました。
電車って、輸送人数も多く、時間優先で遠距離を短縮するのが
基本的な要件、というように日常生活ではなっていますが、
この江ノ電は、まぁ言ってみれば
列車と市電の中間的な、というか市電により近い感覚。
鎌倉駅から長谷まで乗車したのですが
距離で言えば、まぁ歩いてもそうは掛からないだろうと思える距離。
鎌倉という街自体が、歩いて生活できるサイズでコンパクトシティなので、
その感覚の中にスッポリと収まっている。
途中の車窓には、普通の民家の庭先が目に飛び込んでくる。
「え、こんなに近くて、生活丸見えじゃん」
っていうような驚きがあります。
まぁ、北海道的距離感覚とはまったく違う自他の距離感。
こんなに近い距離の中でお互いのプライバシーって
「見て見ぬふりをする」しか、ありえないだろうと思われます。
そういう意味では、
こういう地域での暮らし方というものも理解はできるけれど、
当然のようにエチケットとか、生活ルールというものが不可欠でしょうね。

休日に行ったので
まぁ日帰りで鎌倉観光っていう人が多かったのですが、
鎌倉って一種のテーマパーク・ディズニーランドと考えれば
大成功している地域でもありますね。
そういう地域の移動手段としての江ノ電も、
重要な観光のプレーヤーであり、
十分にその機能を果たしていると思います。
まるでミニチュアのワンダーランドとでも言えるような街ですね。
車体の大きさにしろ、そのデザインにしろ
街の雰囲気との調和を優先しているような移動手段。
たくさんのひとたちが写真を撮っていますが、
だれもが、こういう時間感覚のなかに、癒しを感じているのだと思います。
こういう意匠性で、ビジネスとしても成り立っていると言うことに
地方から来るとむしろびっくりさせられます。
地方では、いまでもやむなくこのような時間感覚の中にあるものもある。
でもそれは時代の中で見捨てられつつあるようなものである場合が多い。
関東圏という、
人口規模が3000万人という大消費地域の中で、
このようなランドスケープデザインは成立しているのですね。
一時期、ほかの地域でも
このようなレトロ感覚で町の振興を図ろうとした動きもあったのですが
だいたいがもののみごとに破綻している。
鎌倉の場合は、まずは歴史というベースがあり
そのうえに地域への愛着が十分に住む人の中にある、
ということが、こういうランドスケープを成り立たせているのだと思う。

そういう点では、まことに「豊かさ」を感じさせる光景。
ちょっとまぶしすぎるくらいの思いを感じた次第です。

北のくらしデザインセンター
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