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水をデザインする

きのう旭川の北総研の建物のことを書きましたが
ちょっと写真がわかりにくかったかも知れません。
で、ちょっと拡大してみたのが画面左側の写真です。
雨樋、というのは面白い建築装置ではあるなぁという着想を得た次第。
日本という列島は、ヒマラヤがあることで成立した
多雨気候の国土条件。
木の文化が発達したというのは、伐採しても伐採しても
どんどん森の更新作用が活発だということであり、
その基本条件として、雨が多いということを表している。
東アジア3国、中国・朝鮮・日本の似たような寺社建築などで
日本の寺社建築の屋根へのこだわりの進化は顕著だと思うのですが、
そういうのも、このことを表現していると思います。

で、考えてみると日本の建築って
「水をデザインする」っていうことが多いと思うのです。
右側には、手水のデザインを探してみた次第です。
大体、寺社参詣の時には日本人になじみの深い装置。
おおむね、水路の配給口は鋭角に切り取られた竹、というのが多い。
茶室の事を聞いたとき、貴人を迎えるときには、
雨樋の竹を新調して迎えると言うことがあるときいたことがありますが、
高温多湿で、竹の更新性・成長力が高いという自然条件が
こういった豊かな感受性を生み出してきたのかも知れません。

まぁ、写真としては
このふたつの機能を表してみたのですが、
自然が奏でる水の輪廻を建築的に活かして使っていくという
こうしたデザイン力が、わたしたちの文化にはあると思います。
雨樋は、視覚性というよりも機能性と、音のデザインでしょうか。
一方の手水は、その受け止めている石の美しさと
波紋が生み出す幾何学的美しさと、かすかな音のデザイン。
片方は、寒冷地北海道旭川の雪解けの水を落としてくるものであり、
もう一方は江戸大名庭園での石の文化のもの。
どちらも時空間を超えて、日本人的な感受性を伝えてくる仕掛けですね。
本当に楽しいなぁと思います。

北のくらしデザインセンター
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