本文へジャンプ

【いい家を求めての探求 3.18恵庭で講演】

わたしはときどき講演を依頼されることがあります。
住宅という専門的な領域で、雑誌をもう28年くらい発行しているので
いろいろな経験を積んできて、それもユーザー的な視点から
この領域で進んできていることの推移を見てきたので、
そんなことから話をしなさいというようなミッションだと思っています。
一般的には建築のプロ向けに講演することが多いのですが、
今回3.18は恵庭市でのユーザー向けのイベントでのお話しです。

で、そういった機会に「そもそも住宅ってなんだろう」みたいな
なるべく多くの人にとっての意味合いをいっしょに考える提起を
心がけるようにしております。
写真は、今回の講演の中での一葉のスライドデータ。
あ、使わないかも知れません(笑)、これからだんだんと煮つめに入るので
場合によってはお蔵入りするかも知れない。
でも最近の知の領域の拡張ぶりはまさに劇的。
これまで住宅の歴史というと、洞窟住居とか竪穴住居とかから
説き起こすというのがふつうのアプローチだったのが、
どうもスパンが人類史的なものにまで及ぶようになって来ました。
いわゆる「先史時代」という、人類が文字記録できるようになった以前の
その部分というのは、歴史という概念を持っていなかった。
歴史というのは抜けがたく「文書主義」が基本にあって、
考古的な物証に重点を置いて考えるというスタイルを取っていなかった。
しかし、遺伝子の解明とか考古的な発見の積み重ねで
物証から推認可能な「歴史事実」というものが掘り起こされるようになって来た。
そうすると、これまでの「先史」という部分も歴史に参入してくる。
農耕革命以降が歴史だという立場が揺らいできている。
わたし自身も、これまでの講演では日本の住居というスタンスから、
明治維新以降の北海道開拓と住宅工法進化に注目して
そこを起点にしてくる展開が多かったのですが、
もっと根源的なことも証拠立てて考証することが可能になってきた。
この一コマのスライドデータは、京都大学総長の人類学者・山極先生の
毎日新聞に発表された文章から要旨を抜粋させていただいた部分。
人間というのは毎日寝続けてきて現代のわれわれにまで至っているけれど、
そもそもどんなふうに寝床を確保してきたか、
寝床の歴史というものを想像しなければ、住の未来形の想像力は
力を持ち得ないのではないかと感ずるようになってきた。
イキモノとしての「やすらぎ」とはどんなものか、じゃないけれど、
類推可能な想像力の幅は広げていきたいものだと思っています。

<PR>高断熱高気密住宅のススメの電子マンガ、
「熱き女子建築士」ダウンロード販売中。
下の写真をクリックすると販売ページにリンクしています。
DLmarketで購入
販売価格は税込:540円

コメントを投稿

「※誹謗中傷や、悪意のある書き込み、営利目的などのコメントを防ぐために、投稿された全てのコメントは一時的に保留されますのでご了承ください。」

You must be logged in to post a comment.