さて、北海道の工務店グループ・アース21での勉強会の模様です。
ZEHにどのように対応していくべきか、
さまざまな取り組みがなされていますが、札幌地区でのZEH事例発表。
今回は大洋建設さんの事例からであります。
ZEHの概要とは、暖冷房・換気・給湯・照明エネルギーについて、
敷地内で創出する再生可能エネルギーでキャンセルさせること。
定義とすると以下のように要旨が謳われている。
1 外壁強化基準を満たした上で、Ua値 0.4以下(1、2地域)
2 外皮性能強化で、基準1次エネルギー消費を20%以上削減
3 再生可能エネルギーを導入する
4 再生可能エネルギーで基準1次エネ消費から100%以上削減
<NearlyZEHでは75%以上の削減>
これに対して、大洋建設さんでは、
<木造1部2階建て延床面積 121.73m2>の住宅で、
以下のような仕様、要件で住宅建設していました。
1 外皮性能は、Ua値 0.24w/m2
2 年間1次エネルギー削減量 137,776MJ/年
3 年間1エネ削減率 84.4% <要件75%以上でクリア>
4 PVを除く1次エネ削減率 57.2% <要件20%以上でクリア>
5 搭載蓄電池容量 5.6kwh
6 搭載太陽電池 4.88kwh
<パワコン、HEMSはオールインワンタイプ採用>
そうした結果として、以下のような結果。
・暖房エネ 基準110,912MJに対して、28,908MJ
・冷房エネ 基準689MJに対して、1,040MJ
・換気エネ 基準4,596MJに対して、10,785MJ
・給湯エネ 基準30,746MJに対して、20,372MJ
・照明エネ 基準16,187MJに対して、8,537MJ
・その他エネ 基準21,211MJに対して、21,211MJ
太陽光発電発電量 評価量 16,799MJ <参考/総発電量 44,324MJ>
ということから、基準1次エネ消費量 184.4GJに対して
この発表住宅での設計1次エネ消費量は、74.1GJが達成されてフルZEH。
で、めでたく達成されているわけですが、
実験住宅として取り組んでいるのは、太陽熱集熱システム利用の方。
今回の申請では、「計算除外」としている。
これは、各種の計算根拠からして環境要件が整理されていなくて
正確に計算することが至難とされているのだそうです。
ご存知のように、北海道札幌では積雪の関係で
太陽光発電に対しては積雪期の稼働が難しい条件もあって、
むしろ太陽熱集熱システムの方が、設置箇所の工夫などで、
よりコスパが高くなると思われるのですが、現段階では難しい。
で、写真はZEHの「報告書」に添付する「写真」の撮り方教室(笑)。
ゼネコンでもない一般の木造住宅会社では
こういった「工事記録写真」撮影に慣れていないので、
なんどもお役所からダメだしされたそうです。
そして、下の写真は各種提出資料の「控え」バインダーですが、
書類厚みは、約3cmくらいはあったようです。
こういった事務作業、トータル人件費計算としては
約50万円くらいになるのではないかという推定でした。
他にも1件、こちらは現状報告でしたが、これら報告に踏まえて、
さらに今後の動向予測などいろいろな情報交換ができました。
一般的に温暖地に比べハードルの高さが言われる寒冷地ですが、
今後もZEHの動向、チェックしていきたいと思っています。
Posted on 12月 8th, 2016 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
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