きのうのブログ【現代日本の「良い家」ってなんだろう?】に対して、
いくつかのご意見をいただきました。以下、要旨です。
●羽深久夫(札幌市立大学教授)〜まずは、北海道のよい家の議論が必要。
住み手より気密断熱、道産材料、地元工務店などの議論が多い。
少子高齢の最先端地域の北海道の家族感、住宅感を話すべきでは。
私もいろいろな場で、まずは公共建築の質をあげるべきと言っています。
建築は必ず財産になり、人や社会を豊かにします。
●藤島 喬(建築家・札幌) 「良い家」の定義は、難しい。
昔は、邸宅と呼ばれた家がステータスを持っていた。家の価値は、
住宅金融公庫に支配され不動産取得税が住宅の価値を決めている。
25年も経つと家の価値がなくなるが固定資産税はつく。
北海道ではコンクリートブロック造の外断熱が、一番適しているが
固定資産税が高い。耐久性のよいもの程安くすべき。
●Shigeru Narabe 北海道でコンクリートブロック造の外断熱に住んで
25年ですが「良い選択だった」と思っています。
早すぎた選択で何の補助金も優遇税制も当たりませんでしたがw
●羽深久夫 ちょっと論旨がずれるかもしれませんが、なぜワイゼンホーフの
ジードルング(1920年代にドイツ各地で建設された集合住宅。計画には
バウハウスなどモダニズム建築家たちが多く参加し、建築史上は
近代建築運動の実践としても評価される。)に世界的建築家が参加したかを
考える必要がある。フィンランドでは10年前から破綻がくる福祉政策を見越して、
医療施設、都市、住宅のあり方を実践している。
未来社会の共通理念がないとあるべき住宅建築が統一されない。
●藤島 喬 クリストファーアレグザンダーにはまったことがある。
「人間都市」という本。社会学者が入ってた。そういう人が必要。社会の変化に
対応できるシステム。建築、街は総合的知恵で作られるべき。
●羽深久夫 北海道からあるべき住宅像を発信したいですね。
●Shigeru Narabe 住宅を買った途端に市場価値が落ちるのは、
明らかに供給過剰なのでしょうか?
わたしの拙い提起に対して、反応をお寄せくださり感謝します。
最後の「供給過剰」という指摘については、しっかり考えてみたいですね。
ちょっと調べてみて、数字的根拠も踏まえてみたいと思いました。
内容から、北海道での「良い家」についての思索の足がかりもありました。
そのなかでも「ブロック造外断熱住宅」についての歴史的見直し
というようなテーマも浮かんできました。
昨日、北海道の住宅施策である「きた住まいる」ワーキンググループ会議で
いろいろな意見交換をしてきたのですが、
これまで地域としての北海道が取り組んできた「良い家」の運動を
きちんと評価して、住宅への歴史的判断力を常識として広めていくことは
きわめて重要だという提起もさせていただきました。
今後とも、「良い家」についての探求を続けていきたいと思います。
みなさんにとっての「良い家」とは、いったいどんな家でしょうか?
Posted on 8月 10th, 2016 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
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