きのうは札幌市内で新住協札幌支部の2カ月に一度の例会。
大きく2部構成で進行し、前半は今年9月に開催の
新住協全国大会in北海道についての打合せとメーカー各社からの
新製品や話題の情報。
後半は、不可欠な技術条件になりつつある「付加断熱」の工法研究。
付加断熱については、
これまでも断熱材を長期間、安定的に保持させる手法をめぐって、
さまざまな研究・論議が重ねられてきています。
軸組構造に「充填」させる軸間断熱とは違って、
自重と断熱層の安定性を保持するためには、手法の合理化が必要。
建築構造とどのように「緊結」させるのか、など、
もっともローコストに作る方法を、工法開発し続けてきているのです。
自然的に工法開発されてきた「はしごパネル」が広がっています。
ヨーロッパなどでも一般的に「はしご状パネル」製作が多いそうですが、
現場的にこれらのローコスト化を解析していくことは不可欠な努力。
ことしの新住協総会は札幌での開催。
9月1日から2日間の日程で行われます。
大きなテーマとしては基礎断熱手法、付加断熱の手法など、
より厚い断熱をどう容易に実現させるか、ということに
フォーカスするような方向性が見えていました。
そういった技術開発の現段階が全国の技術者に開示されるのでしょう。
その断熱強化と絡んで、ZEHへの対応が必然的な流れとして見えてくる。
メーカー会員企業としてPVソーラーハウス協会さんは
「ZEH北海道」という組織を立ち上げる予定だそうです。
しかし発表でも示されていたように、現状での北海道でのZEH対応は
全住宅数の1%はるか未満。
積雪条件の厳しい屋根に、ビス留めさせるPVには、
融雪水からの漏水の危険性が大きく立ちはだかり、
そもそも積雪によって太陽光発電効率は、計算不能な地域性もあって
「ZEHってなんのこと?」という心理がビルダーにはまだまだ大きい。
ユーザーにしてみても、効率の良くなさそうな太陽光パネルを
屋根に載っけたら、その「除雪」メンテナンスが義務的になる困惑もある。
そんなのムリ、という心理には蓋然性が高い。
断熱の強化については、より暖かくなるというメリットが大きいから
それは受容できるけれど、人類的課題としての
温暖化ストップというテーマを言われても実利には遠い印象。
どうもZEHは、温暖地側主導で進んでいく可能性が高いと思われます。
日本全体として考えれば、進歩にはなるので
否定はしないけれど、さて自分たちにはハードルが高すぎるかも、
っていうのが、多くの地域の「ため息」のようだと思います。
しかし、経産省はアメとムチで、北海道の住宅に迫ってくる。
地域としての対応が、どうしたら前向きになれるか、
大いに議論、対話して行く必要があると思います。
Posted on 5月 18th, 2016 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
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