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仏教建築軒先の曼荼羅表現

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わたしは年相応に神社仏閣の類が大好きであります。
今回、韓国に行くことが出来て、そこでも
すばらしい寺院建築を見ることができたこと、うれしかったです。

神社は日本独特のものであって、世界性はない。
それはそれできわめて面白い存在であるのですが、
仏閣の方は、世界宗教としての広がりがアジア圏において存在する。
その共通性に、非常に親近感を憶えさせられる存在。
日本という社会は孤立して存在したのではないと言うことを、
きわめて明瞭に語ってくれていると思います。
そしてそういった共通性を認識し、同時に違いを考えて、
来し方行く末に思いを致すのも、なんとも楽しい時間であります。
寺院建築では、軒先にその建築表現が集約的になっている。
デザイン的に「曼荼羅」が、構造に仮託されて視覚化されているのかと。
垂木や屋根、木組みなどで、重厚に表現されている。
新羅時代の国家宗教施設であったこの仏国寺では、
創建時の様子がどうであったか、
日本統治時代に調査が開始したとされている。
その後、1970年代に再建されたというのですが、
さて、どのようなプロセスを経たのか、今度じっくり調べてみたい。
というのは、日本の寺院建築と非常に似通ったデザインで、
違いを発見することがたいへん難しかったからです。
奈良や京都にある寺院建築ですと、この木組みを見せられても
まったく違和感は感じられない。

いま、韓国では仏教はキリスト教に押されて
少数派の宗教なのだそうであります。
キリスト教は李氏朝鮮の時代にはなかったとされているので、
そんなに歴史年代的に古いものではない。
たぶん、日本の近代化が始まったと同時期くらいからの時間経緯でしょう。
であるのに、いま日本と韓国ではこうした宗教の割合が全然違う。
まぁ実にいろいろな社会学的、歴史的考察が可能で、
楽しみがグンと増えてきたところであります。
やっぱり知の世界、楽しみは奥が深いですね(笑)。
まるで、曼荼羅世界。

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