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日本の行く末示す住まいの悩み

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さてきのうも連日開催の建築家セミナーであります。
きのうも11名の参加をいただきまして、
個別の相談会も大盛況で盛り上がっておりました。
なかなか終了せず、わたしは最後まではいられませんでした。
まぁ、毎回のことですが、
来場される方はみなさん、住宅についてのさまざまな相談、
悩み事というものを持っています。
本当にそれぞれなので、面白いというか興味深い。
そういうなかで、最近「え、そんなことあるの?」
というような悩み事を聞きました。
ご夫婦はそれぞれ再婚で、2人暮らしなのですが
なんと、住宅が合計で4軒もあって
その内のどれを使って、どれを処分するか賃貸にするか、
悩んでいる、というご相談なのですね。
戸建て住宅が2軒に、マンションが2軒分(2戸分を1戸として利用)。
まぁ、人口減少社会が来ていて、
社会的にも住宅ストックが家庭の数を超えている現実からすると、
相当の大きなレベルで、こういう事態は発生しているかも知れませんね。
人間の数よりも、維持しなければならない住宅の方の数が大きい。
どう考えても、有史以来初めてに近いような悩み事ではないかと
その意味では、人類史的なレベルでの問題なのでしょうか?
それにしても、ちょっと考えられないような悩みが現実化しているのですね。
多くの場合で2世帯住宅というのがなかなかうまくいかなくて、
家族の数だけ分散的に住宅数だけが増えていって、
そういう社会になったところに、
右肩上がりの経済ではなくなった状況が来ている。
それぞれの維持管理だけでも費用が発生してくるけれど、
その費用がなかなか捻出できなくなってきている。
さりとて、マンションはまぁ、なんとか賃貸には回せるけれど、
戸建て住宅の賃貸はなかなか借り手捜しも難しいし、
いったん貸せば、それにともなう維持管理費も出費せざるを得ない。
なかなか、貸す側としての損得勘定で考えると難しい。
そして、ちょっと考えればわかるけれど、
こういう事態はどう考えても今後、どんどん増えていくことが考えられる。
社会の構造が、ストックをどうするか、っていう問題になってきた。
で、更に問題は、そのストック自体が性能レベルに達していないこと。
延命させて利用するには、さらに費用も発生せざるを得ないと言うこと。
なんとも、悩ましい事態が深く静かに進行していると思わざるを得ません。
う〜む、どうなるのでしょうか?
<写真は、深く考え込んでいるサルと、ヒツジの狛犬であります。
仙台市内中心部の先日も書いた大日如来の境内にあります。>
北のくらしデザインセンター
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