さて、札幌に帰還して朝の散歩路を歩いていたら、
円山自然林のなかで、去年からその群生ぶりを見掛けていた
オオウバユリたちの元気のいい姿が際だってきていました。
去年の発生ぶりと比較しても、さらに多数の個体が群舞しています。
この様子では、円山の森でも最優勢な植物群になるような勢い。
ある種に注目して見ていると、こういった変化が見えてくるのですね。
昨年、はじめてこの植物を注目して見たのですが、
ちょうど今の時期、すっくりと立ち上がった姿から、
頭頂部の花芽が大きく開こうとしている。
その個体によって、さまざまなプロセスにあって、
立ち姿がそれぞれに個性的な美しさを見せてくれています。
昨年もこの植物について書いたので
記憶されている方も多いでしょうが、
このオオウバユリは、アイヌの人たちにとって貴重な炭水化物摂取源。
この花の根の部分を粉にして、食用に供するのだそうです。
ごく少量しか農耕を行わなかったかれらにとって、
森の中で自生するこのオオウバユリは、いのちをつないでいく
民族的なエスニック食源だったのだということ。
そういうことを知ってから、あるリスペクトを感じている次第。
自然林のなかで、この姿を探し続けるようになったのです。
昨年は姿を見るのが、もうちょっと早かったようにも思うのですが、
ことしはちょうどいまが、いちばん面白い時期だと思います。
一番下の写真では、左から昨年のオオウバユリで、
こんなふうに枯れているのですが、
そこから種子が周辺に群生をはじめて芽吹き、
徐々に花芽が膨らんでいくのです。
そのさまざまな表情を、きのうは各所で見ることができました。
きょうもこれから散歩に出かけたいのですが、どんな表情で迎えてくれるか、
無上に楽しい気分を味わわせてくれています。
可憐でゴージャスな美しさ、しばらく楽しみたいと思います。
Posted on 7月 8th, 2015 by 三木 奎吾
Filed under: 日本社会・文化研究
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