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最後の被災地・原発事故地域

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今回の東北取材は、札幌で購入したクルマを仙台まで移送する傍ら、
東日本大震災の現在の状況を、再確認したいという動機・目的でした。
そしてきのうは、他の岩手や宮城が活発な住宅復興を見せる中で
通行すら出来なかった福島の「帰宅困難地域」を視察してきました。
といっても、開通した常磐道を仙台から南下して、
あまりにも単調なので新地で下り、そのあとは国道6号線を南下し、
「福島原発1号機」と書かれた看板もある地域を立ち止まることなく
クルマから視察し、通過後、国道6号を離れ、
「常磐富岡」から常磐道を今度は仙台方面へ北上したのです。

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東北地域で住宅雑誌を発行する人間として
やはり一度は、そこがどんな状況になっているのか、
把握することが不可欠であると思い、足を運んでみた次第であります。
なるべくあるがままを確認し、今後どのように
想像力を持つべきかについての根拠になる「肉体体験」を
持っているべきだと考えた次第です。
開通したばかりの常磐道は1車線と言うこともあり
通常制限速度内運転では、常に後続車がおっつけてくるし、
ほとんど落ち着いて周囲を確認するような状況ではない。
より「現場」に近い国道6号線にしても、そこそこかなりの交通量。
しかも住宅密集地などでは、警戒も物々しいのが実態。
主要な交差点地域などでは、警戒に当たる交通警察官の方たちが
走行する車両を監視しているし、
そうでない交差点などでも、国道6号から枝分かれする道には
すべてバリケードが張られているので
住宅密集地の現状を写真撮影できる雰囲気ではありません。
かろうじて、常磐富岡ICへと枝分かれする地域で
周辺の点在する住宅の様子を撮影できた次第。
そういった地域でも、建物までの通路にはバリケードが張られている。

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写真は常磐道の南相馬PAに設置されていた「放射線量計」。
要旨部分の抜粋映像であります。
やはり3,4,5ポイントなどでは他と比較して高線量が確認されている。
常磐富岡インター周辺では
いわゆる「除染」作業が盛んに行われていました。
たくさんの袋に入った土壌が確認できます。
一方で、帰宅困難地域に放置されている住宅群は
上の2つの写真のように、繁茂する雑草類に覆われているような状況。
ひとが住まない家は、とよく言われるような様子も伝わってくる。
ひとがはたして暮らせるか、という社会的なこととは別に
建物として、どのような建築的対応が必要なのか、ということも
さまざまに想像力が必要なのだと思った次第であります。
福島県などでは、こうした住宅群に対して
「リフォームするための費用補助」が謳われているけれど
いまのところ、そうした事例はほとんどないのが実態だそうです。
まずは、現状がどうであるのか、
散見的ではあれ、この目で見てきたというところであります。

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