玄関、という概念ってある意味、面白い。
玄、という言葉と、関という言葉が組み合わさっている。
関のほうは、意味が明瞭で、
外界と家の中を仕分ける意味合いが込められていることはわかりやすい。
一方の、「玄」というほうは、しかしなかなか、形而上的。
玄妙、という言葉の意味合いのように
「非常に優れている」というような意味合いが込められている。
漢和辞典で見てみたら、
玄関、というのは、玄妙な道に入る関門、と書かれてある。
仏教的な概念が言葉のそもそもの意味に近いのだそうですね(ホエ〜)。
そんなことを今更言われても、
日常いつも、考えることもなく使用しているわけで、
別に仏門に入りたいと考えながら、玄関を通過しているワケじゃないよ、
と言いたいところではありますが、
日本語の成立過程からすると、そのような概念が込められているワケです。
確かに欧米住宅では、このような明確な玄関はあまりみられない。
靴をいちいち脱ぐという習慣も、あまり聞かない。
いわんや、名詞単語にそのような意味合いを付与しているというのは
ありえないでしょうね。
まことに、「生活は文化」ということを認識させられる次第です。
現代生活は、リアリズム的な機能性を重視した社会なので、
そういう視点からは、建物への出入り口という機能だけに絞られやすいのですが、
古民家や、立派な歴史的建築を見れば、
宗教的というか、精神文化的にとらえるという文化に気付かされます。
写真の玄関は、ことし見てきた中でも
かなり頑張って作っていた玄関の様子です。
玄妙と言う言葉の語感に似合った土間の黒い、玄昌石タイル、
式台と、上がり框、収納扉にケヤキ無垢材が使われ、
床板にもヒノキが使われていて、
玄関に入った途端に、香ばしい木に包み込まれるような雰囲気でした。
こういう立派な玄関に出会うと、
やっぱりそうだよ、玄関ってこういう意味なんだよ、
と改めて、思い起こさせられますね。
北のくらしデザインセンター
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Posted on 12月 17th, 2008 by replanmin
Filed under: 住宅性能・設備
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