冬になると、見てみたくなる光景があります。
札幌から約1時間ほど、道央道を北上すると
安田侃さんの彫刻が置かれている野外展示空間・アルテピアッツァです。
美唄の高速インターから3分ほどなので、
運良く好天に恵まれれば、ごらんのような静かな雪景色と遭遇できる。
このアルテピアッツァは、廃校になった小学校の跡地を
この地でで少年期を過ごした彫刻家・安田侃さんが
ノスタルジーを込めて、空間構成している場所であります。
以下、HPからの紹介文。
ここは、1人の彫刻家・安田侃(かん)が今なお創り続ける、
大自然と彫刻とが相響する野外彫刻公園である。
美唄市は、かつて北海道有数の炭鉱都市として栄えた。
1973年に最後の炭鉱の灯が消え、炭鉱住宅はひっそりと静かになり、
子どものいなくなった学校は閉校した。
それから時が過ぎ、イタリアで創作活動を続ける美唄出身の安田が、
日本でアトリエを探していた際、1981年に閉校した旧栄小学校に出合う。
その朽ちかけた木造校舎には、
子どもたちの懐かしい記憶がそのままに残っていた。
そして、校舎の一部に併設されていた小さな幼稚園に通う子どもの姿が、
彼の心をとらえた。時代に翻弄された歴史を知らず、
無邪気に遊ぶ園児たちを見て、彼は思う。
「この子どもたちが、心をひろげられる広場をつくろう」。
それがアルテピアッツァ美唄誕生のきっかけとなった。
構想のスタートは、1991年からとなっています。
写真は、そのカフェスペースから周辺の針葉樹の森を見たところ。
このカフェは現在の北海道の標準的な断熱空間であり、
薪ストーブが、訪れるひとを迎えてくれる。
そうした居心地にくるまれた空間から、白く基本彩色された外部を
あくことなく、見続けられる。
この周囲の針葉樹はエゾマツのようであり、
濃緑の樹影に白く雪化粧が施されている様は、
北の自然の典型を垣間見せてくれる。
こんな美しさの中に、自分たちは包み込まれて生かされているのだと
今さらながらに、思いが至る。
暖かいコーヒーを飲んでいれば、なにもいらない。
ときどき、ふっと思い起こして訪れる、わたしの大好きな場所です。
Posted on 12月 9th, 2014 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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