きのうはひたすらある仕事作業に没頭しておりました。
で、選挙はカミさんもきのう出張だったので、土曜日のウチに不在者投票。
なんとか棄権はまぬがれ、国民としての権利と義務は最低限果たしました。
しかし今回の選挙くらい結果の見えているものはありませんでしたね。
結果は、民主党という存在がまったく国民から見放された現実を
ただただ克明に写し出しただけのような気がします。
自民党は勝ったのですが、なんにせよ、土俵に上がる前から
対戦相手がほぼ戦闘不能、戦意喪失のような状態。
結果として残った現実は、
交代可能なもう一方の政権担当能力のある政党が
日本の政治から消えてしまったということですね。
自民党という政党は、
戦後成立した保守政党ですが、
何回かの政権とりこぼし期間はあっても、ほぼ戦後の大部分を政権担当してきた。
歴史的に見れば、奈良から平安期の藤原氏による支配にほぼ匹敵するのかも知れませんね。
王朝政府時代、何度か「関白」から遠ざかる期間はあっても
一貫して、主流の位置を占めてきていた。
システムには違いはあるとは言え、
しかし、日本を実質的に支配してきた「構造」としては、
似ている部分があるのではないかと感じます。
藤原氏の支配システムは、「律令と鎮護国家体制」という国家基本システムを
中国から輸入して機能させてみたら、
日本という社会では、こういう体制がいちばん安定的でした、という例証だと思います。
戦後の平和憲法に基づく「欧米的民主主義」支配システムが安定的に確立すると
このような「自民党支配システム」というようなものに帰結するのでしょう。
その藤原氏支配システムが決定的に破綻していくのは、
天皇家を中心とした「日本」国家に対して
独立開拓農場主層を主体勢力として取り込んだ「関東」武権国家が、
ほぼ独立的に政権を簒奪したことで、
そういう支配システム自体が地殻変動的に壊れていったからです。
日本の歴史では、「承久の乱」が決定的な革命戦争というか、
権力争奪戦争だったのだと思います。
たぶん、現在の自民党政権の不安定要因は、
外国からの圧力ということになるように思います。
すでに国粋的な憲法改定や排外主義的な傾向に対して
中国や韓国との関係強化を打ち出し、安倍政権とは距離を置いた対応に傾いている
アメリカの動向が、かなり決定的になってくるのではないかと思います。
いたずらに中国を刺激する安倍さんの外交姿勢に
オバマ政権はかなり冷淡な対応を見せてきている。
ウルトラな外交オンチであり国粋主義に傾こうとする
「維新」という存在は、民主党を瓦解させるには効果的だった。
その維新の不定見ぶりを大いに利用してその支持層とムードをうまく取り込んで
安倍さんは勝ったように思いますが、
そうした過程で、民族主義排外エネルギーを利用してしまった。
そのことが、今後の日米・日中・日韓関係にどのようにはね返ってくるのか。
こういうあたりに波乱要因はあるように感じています。
Posted on 7月 22nd, 2013 by 三木 奎吾
Filed under: 状況・政治への発言
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