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国際パッシブハウスセミナー

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「外断熱推進会議」という東京で活動するNPO団体があります。
もともとはマンションの外断熱化を推進する活動を中心に
北海道発祥の技術の波及に勤めてきた団体です。
幾人かの知人から、今回も案内を受けて取材に伺いました。
「国際」と名付けられているように、
イギリス・アメリカ・ドイツという3カ国で活動されている
女性の建築家、研究者を中心にセミナーを開催。
とくにイギリス・アメリカで、住宅建築に携わっている女性建築家2人のお話しは
たいへんわかりやすく、興味深いものでした。
ドイツのパッシブハウスがひとつの基準になって、
それぞれに国の事情がからんでの様子のお話しなんですが、万国共通の部分があって
エピソードは、微笑ましい部分も多い。
イギリスロンドン在住の建築家・末武さんの発表では、
盛んに「木造軸組」という言葉が出されていて、ちょっとびっくり。
で、発表後お話を伺うと、ポスト&ビーム工法のことで、
日本の軸組構造に大変似ているのですが、
北海道の木造住宅の「気密化」が困難だったと同様に、
さまざまな困難に直面しているようです。
彼の地では、一般的には古い石造りの住宅が多く、
断熱材が施されていないけれど、
若い年代の人たちを含めて、このような「イギリス在来工法」への愛着が強く
高断熱高気密化への説得が難しい、という状況説明がありました。
ドイツのパッシブハウス基準への対応はやや屈折した心理状況にあると
推察されました。
一方、アメリカボストン在住の岡田さんからは、
日本の気候区分以上に多様なアメリカの南北間の違いが明瞭に語られました。
北の方では、ドイツ基準でまったく問題ないけれど、
南の方では、蒸暑の気候、やはり湿度コントロールが不可欠な状況が
大変わかりやすく伝わってきました。
そんな状況から、Wufi-Passiveという独自基準が出てきて
大きな流れが出てきているようです。
しかしアメリカ在来の住宅性能の状況は、イギリスと大同小異のようで、
なにやら、日本の住宅性能の状況とよく似ているとも言えましょう。
さらに京都工芸繊維大学の芝池先生から、
埼玉での「蒸暑期」研究の内容の発表もありました。
発表内容が詳細にまとめられているので、
しっかり資料を読み込まないと、軽々しくは論じられない内容でした。
壁体内の水分コントロールについて、非常に興味を持たれていました。

蒸暑気候については、
いろいろな立場の方々がアプローチを開始されているので、
ちょうど北海道の高断熱高気密の初期の状況と近似していると思います。
さまざまなアプローチがどのように進化していくのか、
ウォッチして行かなければならないと思います。

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