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アジアとの対し方について

札幌には雪まつり中、多くの中国人観光客のみなさんが見えられていました。
日本人はここのところ、明治以降、
欧米世界へのキャッチアップを国是にしてきていて、
外国人といっても、「ガイジン」という語感においても
なんとなく、欧米人をその言語イメージの対象としてきた経緯が強い。
そのように文化的な刷り込みが行われてきてから
すでに150年近い年月が積み重なってきていて、
その結果、本来日本の歴史年代において圧倒的に長かった中国、朝鮮・韓国との
国際関係、その人間交流の仕方なども忘却してきている。
わたしたちは、押し寄せてくる中国人観光客のみなさんと
どのようにコミュニケーションを取るべきかもわからないというのが現状。
国家関係では、日本は欧米列強とは動機に於いて違いがあったとはいえ
結果としては中国や朝鮮を侵略してきたことは事実。
中国に対しての態度において、
欧米列強諸国と中国との関係はどうであるかは、良く理解できない部分もあるけれど、
少なくとも、日本の態度とは大きく違いがあると思う。
たとえばアヘン戦争について
イギリスが中国から繰り返し謝罪を求められているかどうか、
その辺の情報というのは、日本にはあまり知られていないのではないか。
ただ、中国や朝鮮・韓国の対外的態度において
ほかの欧米諸国とはかなり違いのある態度を日本に対しては示していると思われる。
こうしたことが、国民的なレベルでも反映して
無用なナショナリズムが声高に叫ばれたりしているのが現状と言えるでしょう。

しかし、明治の開国以前の状況はどうであったのか。
そう考えれば、こういったヒステリーには意味がないことも自明だと思う。
少なくとも、中国本国での治乱興亡は別にして、
日本は、アジア世界との国際関係はおおむね常識的範囲内で推移してきた。
きわめて例外的に元寇という事態があったり、
秀吉による朝鮮出兵があったに過ぎない。
そんなことを考えながらいたわけですが、
先日ふと目にした文庫本のタイトルに目が点になった。
「日本と朝鮮はなぜ一つの国にならなかったのか」
という本です。著者は明治学院大学の武光誠教授という方。
古代の朝鮮出兵、例えば白村江の戦いなどは
わたしたちの歴史の中で、
あまり脈絡が意識されていない出来事だと思うのですが、
あれって「律令」という普遍的価値に基づいて再編されるまでは
アジア的な古代国家の体制が
十分に固まっていなかったことを表しているようなのです。
その出自において、日本と南部韓国領地域とは抜けがたい一体性を持っていた。
言語もほとんど共通性のある共有的な世界が展開していた。
というような史観を、不意を突いたように教えてくれている。

こういった史観に基づいて考えていけば、
現代のアジア世界の国際感覚のおかしさもくっきりとしてくる。
まぁ近親憎悪というものも仕方ない感情として存在するけれど、
そのように、場合によってはひとつの国家を形成したかも知れない
というように考えていけば、違った認識を持てていくかも知れませんね。
文章がきわめて学術論文的なので、やや閉口気味ですが(笑)
慎重にお説を拝受している最中であります。
ふむふむふむ・・・。

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