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建築コンペの審査

きのうは以前から注目していた
「ふくしまの家プロポーザル」コンペの最終ヒアリング、審査日。
最近の公共の仕事らしく、すべて公開されて実施されました。
なぜ注目してきたかというと、
国の住宅政策がことしから大きく転換し「地域連携型」に移行していく流れを
このコンペは、災害からの復興という意味もあって、全国を先導するような形で
福島県としての独自性を持って事業に取り組んできていたからです。
そういうことでは、国の事業の形に方向性を与えたり、示唆を与えたりもする。
全国での今後の動向を占う意味でも興味深いものでした。
この内容については、今後折を見て触れていきたいと思います。

なんですが、
審査委員長・三井所清典先生はじめ、5人の審査員のみなさんは
早朝9時前から打合せがあったうえ、
選考作業が終了したのが午後5時前まで、まぁご苦労様でした。
わたし自身も経験があるのですが、
建築のコンペ審査って、気苦労は計り知れないものがある。
公共団体からの報酬というのはおおむね決まっていて
まぁ、気苦労に比較して必ずしも高額ではない。
そういう社会的な公平性を期待されてのことなので、
公職であって、割りに見合うことではない。
それなのに、ひとの恨みを買う方が(笑)はるかに多い仕事。
これは、喜ぶ人より悲しむ人の方が多いので、やむを得ませんね。
きのうは、5人の審査員で事前に56の提案から19まで絞り込んだものを
さらに8つに絞り込む選定作業。
とりあえず、5人中4人の推奨があった4件は早々に決まり、
一方で、無得票と1票だけの提案は、おおむね平穏に候補から除外。
しかし、ここから2票と3票の提案8つから4つに絞り込むのが大変でした。
で、会場からそれぞれの提案者の痛いほどの期待と怨嗟の視線が来る。
ここらへんから薄氷を踏むような思いが募ってくるのでしょう。
わたしの経験では、完全公開というのはないのですが、
非公開でも、いろいろなことが頭のなかに浮かんできてやるせない。
こころなしか、先生たちの声もややトーンダウンしていく。
「・・・」「・・・」・・・、聞き取れない(笑)。
まぁ察するに余りありますね。
写真のように第1回と第2回の投票とやはりそう大差のない選定で
結果が決まっていきました。
まぁ、決める方としてはほぼ常識的なプロセスだっただろうと思います。
こういう「納得」というのが大切なんですよね。
本当にお疲れ様でした、と申し上げたいと思います。

さて、この結果を踏まえて
いろいろな動きが展開していくと思います。
また、岩手や宮城などの県の動きもどうなっていくか、
しばらくは注目が高まっていくでしょうね。

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