きのうは福島市にて
地域連携「復興住宅」プロポーザル説明会の取材に。
福島県は、それこそ万年単位でしか解決できない問題を抱えながら、
これまでの国のシステムに対して
果敢な改良の仕掛けを実践してきていると思います。
応急仮設住宅のプレハブメーカー偏重の国の政策に大きな風穴を開け、
地域に住宅政策を取り戻すための試みに打って出ていると思います。
「最終的には、放射能で汚染された海洋の浄化を達成するまで・・・」
という檄文にも似たメッセージが、福島からは発信されています。
いま、現にそこにいてできることに全力で取り組もうという
そういった姿勢に深く共感するものです。
自分たちの身の回りからだけ、放射能汚染を除去し、排除したい
そしてすでにある自分たちの利便性も決して犠牲にもしたくない、
といったような、基本的にはエゴに基づいた考えとは
明確に一線を画しながら、
日本を変えていきたいという思いの強さを感じています。
きのうのプロポーザル説明会では
審査委員長を務められる三井所清典先生が講演されました。
先生からは、新潟県山古志の住宅復興のプロセスを解説しながら、
住宅の復興はどうあるべきか、の指針が示されていました。
これまでの住宅政策を根本的に変えていこうという
先生の「大化の改新」宣言は、まことに明快に道を示されていたと思います。
地域が、地域の尊厳とデザイン、暮らしの生業を守りながら
どのようにサスティナブルに道を開いていくべきかが
語られていたと思います。
今、福島県が取り組もうとしているものは、
まことにその言葉どおりのことだと思います。
思い返してみると
明治の維新の時に、薩長藩閥によって徹底的に痛めつけられ、
そして、今回は大都会のエネルギーエゴの犠牲とも言える
大災害に見舞われたのが、福島だとも言えます。
2度にわたって、民族的な危機を一身に体現した地域だからこそ、
いまの日本に対して、そのシステムに対して、
次に目指すべきものを打ち出していくことが出来るのではないか。
そんな思いを強く感じた次第です。
Posted on 12月 10th, 2011 by replanmin
Filed under: 住宅取材&ウラ話