玄関前のエントランスの表情って、大切なポイントです。
首都圏などでは、建て売り住宅地というのは大体が都心からの距離と
地名ブランドによって決定づけられていて、
最後にどの家を購入するか、どうかって、
ほとんどが外観と玄関前などの家の表情で決定するものだ、
というように聞かされることが多いものです。
ただし、最近のシンプルモダンの住宅デザインでは、
なかなか表情にメリハリを付けるというのには苦心するだろうと思います。
写真は、先週土曜日の夕方に伺った仙台市の住宅の外観。
設計は鈴木弘人設計事務所さんです。
けっこうなローコスト住宅でありながら、中庭を囲むようなプランになっていて
シンプルながら、しかも変化に富んでいて、
豊かな内部環境を見せている印象度の高い住宅でした。
で、玄関前のこの表情が、なかなかにスタイリッシュ。
木の縦格子で、エントランスの土間を囲ったのですが、
夜景で見ると、照明ともマッチしていろいろな表情を演出しています。
そのうえ、正面外壁は白で、側面側は見えなくなっているのにも関わらず
黒い外壁とツートン構成にしています。
そういえば、室内でも全体はプラスターボードに白く塗装しているのですが
収納クローゼットの内側は目に鮮やかな赤、
お風呂も1面は緑など、「ちょうど裏地のように」彩色されていました。
こういう配慮って、きっと毎日使っていくウチに、
暮らしに句読点を打ってくれる仕掛けのような気がします。
ローコストの住宅なのですが、
随所に、使い込んで印象が深まっていくような仕掛けが施されていて
質の良い仕立て服のような、居心地の良さを感じる住宅。
そんなことを感じながら、もう一度振り返ってみた玄関前で撮影した写真です。
そういう意味では、けっこう「余韻が残る家」のような気もします。
結局、住宅って、そういうものを味わっているのが
知らず知らずの本質的部分、なのかも知れませんね。
Posted on 12月 21st, 2006 by replanmin
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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