北海道に生まれた人間なら、
アイヌ地名で名前くらいは知っていると思われるのが
神居古潭です。
上川盆地を潤した石狩川水系が、空知平野、石狩平野に
落ちていく途中、山岳地帯を通るところで、
大きく地面をえぐって急流を形成している。
水深も深くて、水上交通が主要な交通路であった
アイヌ時代には、最大の難所とされてきた。
カムイコタンはアイヌ語の地名で、カムイ(神)+コタン(村、居住地)
すなわち「神の住む場所」を意味する。北海道および周辺島嶼で見られ、
神居古潭(古丹)・神威古潭などと漢字表記される。
地形の面や神聖な場所であるとして、
人が近寄りがたい場所にしばしばこの名が付けられる。
っていうようにWikkipediaでは表記されています。
先日、旭川に所用で行ったときに
一度、見ておきたかったので見学した次第です。
和人社会がアイヌ社会と同化、というか、
包含していったプロセスで
この地名は、なにものかへの大きな畏れを表す語意として
先人から伝えられてきた。
そういう感覚がまだしも残っているわたしたちの年代のものすら
実際に一度も見たことがない。
そういうことがなにか、申し訳ないような気がしていたのです。
見学してみると、いまは吊り橋が対岸側に向かって架けられていて
上空から全景が見えてくるのですが、
そういう感覚からは、難所という危険感覚は得られない。
水面が渦を巻いているような箇所が何カ所かあって
そういうところで、引き込まれるような水流が発生しているように
感じられました。
まぁやはり、カヌー状の船で航行してみないと体感できないでしょうね。
この地域には、縄文から檫文の時代も通して
居住痕跡が見られるそうです。
アイヌ社会最大の難所でありながら、
集落が営まれるというのは、どういうことなのか。
砦もあったということで、勢力争いの絶えない地域だったのかも知れません。
ひとつ、前から懸案と思っていたことが頓悟できた
カムイコタン見学でした。
Posted on 7月 2nd, 2011 by replanmin
Filed under: 出張&旅先にて
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