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Q1.0NEXT_鎌田紀彦ゼミ

きのうは、伊達を早朝7時半に出て札幌に帰還。
10時から鎌田紀彦先生と仕事の打合せでお会いしまして、
その後、午後3時からは、今度は新住協の北海道のメンバーと
鎌田先生による、表題のようなゼミナールであります。
朝、先生とお話していて、
先生はあまり論文を書かれない、という件になって、
「え、どうしてなんですか?」
と当然の疑問として聞いたわけですが、
「あんまり、論文に意味を感じない」
「でも、学者的にはそういう評価対象が必要なのでは?」
「そういうものは、実践的には役に立たない。工務店と一緒になって
具体的な性能向上の作戦をあれこれやっているほうが、はるかに役に立つでしょう」
というお話しであります。
なるほど、そこまで思い切った立ち位置を思い定めているのですね。

で、午後から始まったゼミは、
まことに「実戦的」そのものの中身であります。
会員工務店からの現場納まりの工夫などに積極的に反応し、
「おぉ、それはなかなかいい考えですね」
というように、柔軟に取り入れていく様は実に圧巻。
「建築システム工学」という、日本でもはじめて開拓された領域で
パイオニアとして取り組んできた鎌田先生の独自性ですね。
高断熱高気密が、先生の基本的な研究領域ですが、
それもさることながら、このような「建築システム」という
現場理解が不可欠な研究領域で、先達のいないなか、
こういった実戦的な研究スタイルも編み出してきたのだと思います。
東大工学部の本流的な立場の研究者が
このように日本の在来建築工法に積極的に関わってきたのですね。
北海道は、こういう事実をしっかり把握し、
地域として、このような建築家の事跡を再認識していかなければならない。
そういう思いを強く感じながら、研究交流の様子を
聞き入っていた次第であります。

確かに、論文を書き続けるよりもはるかに
「創造的」な、実際の建築に役立っていく研究活動なのだと思いました。

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