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札幌の手つかずの自然林

札幌市中央区の街の真ん中に
広大な自然林を保存しているのが「北大植物園」です。
まぁ、完全な原始のままに、というのは表現が適切ではないかも知れません。
いわゆる、日本政府の意志による「開拓」以前の自然林を
そのままで保存している一角が残されているのですね。
看板を見ていると、平成16年の風台風で多くの自然木がなぎ倒されたのも
そのままにしているということで、
その後は、ハルニレが優勢な植生から
低灌木が優勢になってきているということで、
自然の輪廻がそこで展開し続けているのだそうです。
日本政府の開拓以前は、アイヌの人たちのサケ捕獲が一部であって、
そういう土地であったのでしょうが、
アイヌ以前には、もっと活発な集住痕跡が見られると言われます。
そうした時代に、いわゆる自然林伐採行為がなかったのかどうかは、
記録がないのでわからないけれど、
まぁおおむね、原始と言ってそう大きな違いはないとは言えるでしょう。
きのう、買い物の帰りにカミさんと、
散歩してみた次第です。
わたしは3才から、カミさんは生粋の、どちらも札幌育ち。
わたしは、札幌からクルマで1時間ほどの岩見沢近郊の栗沢出身です。
こういう新緑の時期になってくると
自然の植生が渾然一体となった「匂い」がカラダを包んできます。
「あ、むかしの札幌の匂いだ」
っていうような感覚にふたりとも襲われてきます。
雑草や、木や、湿度が鼻腔にいろんな情報を伝えてくれる。
ことばでは具体的な草花の名前を覚えてはいないけれど、
カラダでは、記憶にしっかり書き込まれている。
目ではこれがふつうの自然の景色だ、と認識しているのですね。
そういった自然の中を一巡りしてくると、
何かに目覚めたようなリフレッシュ感が格別。
札幌っこ、という本能的な部分が覚醒したような気分になっている。
わたしは中学いっぱいまで、この植物園に隣接した住宅に住んでいたので、
「あ、あのへんから出入りしていたんだよな」
っていうような悪ガキの記憶が甦ってくる(笑)。
そうなんです、悪ガキどもは不届きにも、竹で編んでいた塀を
その下部から破砕させて、「秘密の抜け穴」を作って
そこを出入り口にしていたのです。時効ですが、深く反省しております。
まぁ、とんでもない行為ですが、おおらかな時代だったのですね。
きのうは、そういう悪ガキ時代の贖罪の気持ちを込めて
夫婦で800円の入園代金を支払って、謹んで入らせていただきました(笑)。

<写真は構内にあった「ハンカチの木」>

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