こういうリフォーム工事では、「できるときにやっておく」ということが大切、
と書きましたが、今日取り上げる構造材の補強なんかは、
こうして解体した状態のときにしか
チェックすることができません。
構造材は木造の場合など、図面などだけではわかりません。
新築当時にはどんな木材が使われていたのか、ほとんど不明なんです。
図面では(って、残っていたとしてですが)、
10cmの太さの構造材が記載されていても
実際にそうであるかどうか、開けてみて確認は必要なんです。
ひどい場合、って、ある裁判沙汰になった住宅の場合、
10cm角のところに4cm角の材料しか使われていなかった、
というケースすらあったのですよ。
その家の場合は、なんとなくゆれる、という症状も出ていたのですが。
まさに、リフォームは開けてみなければわからないということ。
そういう意味では、新築のときの問題点が、
リフォームのときに吹き出すともいえますね。
写真は、構造的に弱いと判断できた構造材を取り替えたり
金物で補強している様子を、撮影したものです。
構造材も、現在でこそ、いわゆる「乾燥材」という、
乾燥レベルがしっかり管理されて出荷されている木材を
入手することが可能になっていますが、
建築年代によって、そうではなく、乾燥が十分できていない構造材を
使用していることも多いのです。
乾燥が十分でない材料を使用すると、そり・ねじれといった
木材の狂いが建築後、激しく発生する場合があります。
また、建築の状態によっては
そこからの乾燥が十分に進まず、腐食が進んだりもします。
こういうことは、図面的にはまったく表現がありません。
したがって、今後の建築の寿命の延命を考え、コストも理解しながら
こういう基本的な性能部分をしっかり見抜いて対処できる技術が、
地域に生きる工務店には、絶対に求められると思うのです。
大手ハウスメーカーは、極端に言えば「売って、建てて、逃げる」
ということも可能でしょうが(苦笑)、ずっとその地域に暮らしていく工務店は
自分たちが建てた建物、さらにその地域に建っている建物に対して、
保守管財人的な、社会的役割を持っていると思うのです。
家って,その建てられる土地・地域から自由ではありません。
ですからユーザーの皆さんも、けっして大量宣伝にまどわされずに
よく作り手を選んでいただきたいものだと思います。
リフォームの工程で、この構造のチェック、補強というポイントは
きわめてウェートの高い部分です。
また、作り手の技量によって大きく結果が分かれる部分。
「やれるときにきちんとやっておく」ことが
建物の資産価値を守っていくことになります。
賢いユーザー、消費者になりたいものですね。いかがですしょうか。
Posted on 4月 19th, 2006 by replanmin
Filed under: リフォーム
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