さて、盛岡での住宅再生型リフォーム工事。
いろいろ寄り道しながら連載しているので、なかなか進展しません。
すいません。工事写真がたくさんありすぎて、いろいろな写真を発見して
その都度テーマが出てくるという状態(笑)ですので、ご容赦を。
きょうは解体工事です。
リフォーム工事で、事前に完全にその家を把握することが難しいのは
「解体してみなければ、どうなっているのか実際にはわからない」
というポイントがあります。
この家の場合、写真左のように、鉄骨の梁が解体してみて初めて発見されました。
また、右写真のように、構造材の腐れなどが発見されて
それを取り替えたりしなければならない、ということにもなります。
ですから事前に、そうしたすべてのことを「見積もり」しきれないわけですね。
この問題、実はもっと複雑で、困る問題なんです。
リフォーム希望の住宅でよくあるのが、図面などが一切ないケース。
注文住宅であれば、建築時点では建築会社から渡されると思うのですが・・
いや、きちんと渡されていない場合すらある。
また、それをきちんと保管するという建て主さんも少ない。
途中で売買されて、その時点ですでに図面が引き渡されない。というケースもある。
また、もっと問題なのは、たとえ図面があっても、
最終的な出来上がりの建築仕様が、記載されていないのが一般的だと言うこと。
え〜〜っ、と思われるかも知れませんが、多いんです。
多くの場合、「建築確認申請」のために、工事より前に、図面というのは作られるのですが
建築確認申請を通ってしまった後、通常、いろいろな「変更工事」が行われるのです。
まぁ、「軽微な変更」であれば、それほど問題ではない、となるのですね。
極端に言えば、現場で大工さんと打ち合わせて、変更しちゃうケースまである。
どうなっているのか、確認することすら困難になっている。
そのうえ、そういう変更工事の一切を図面化する、という法的根拠になる仕組みがない。
ですから、完全な現状仕様を図面化するというのは
多大な手間だけ掛かって、工事側にはメリットがないんですね。
いま、北海道建設部建築指導課では、こういう問題に対して
建築時点のその家の記録をきちんと残そう、という働きかけを始めています。
以前なら、まだしも住宅金融公庫の申し込み時点で、
図面などの提出が必要だったけれど、いまはそういうチェック段階すら
なくなってきているという、現実があるんです。
中古住宅として、もし売買することを考えたら、このことの重要性は
おわかりいただけますよね。
現に、不動産屋業界からは、そういう資料などがきちんと保管され、
客観的に性能がいい、という証明が可能な不動産物件は
そうでない物件より、高値での売買も可能だ、という声を聞くことがあります。
まぁ、住宅の「証明書」みたいなものになりますね。
残念ながら現状では、そういうものが、整理されるような仕組みすらきちんとなっていない、
ということになっているのです、う〜む、む、む。
Posted on 4月 13th, 2006 by replanmin
Filed under: リフォーム
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