きのうからの続きです。
日本では夕方6時から安倍首相の記者会見があり、現状の対応策が発表された。
学校の休校処置について国民向けに説明があり、理解を求め
それに関連して多くの情報発信があり3月までの年度予算から
予備費を集中投下して緊急対策とするというような一連のアナウンスがされた。
一方、アメリカでもコロナウィルスでの初めての死者が出て
トランプ政権は29日、新型コロナウイルスの感染が続く韓国とイタリアの
特定の地域に対する渡航情報を最高の「渡航中止」に引き上げ、
アメリカ国民に渡航しないよう呼びかけた。
事前の予測報道では韓国に加えて日本が含まれるとされていたけれど、
日本には言及がなく、代わりにイタリアが挙げられていた。
イタリアはヨーロッパで最悪の感染状況とされているけれど、
ここ1週間ほどで急激に感染者数が増えてきたのであり、
継続的漸増という状況の日本との違いが名指しにつながったのかも知れない。
クルーズ船での感染者数を日本とカウントするかどうかで
国際的なアナウンス効果に大きな違いがあるなかで、
このふたつの発表に「関連性」があったのかなかったのか、
このあたりについて当然、疑問が湧いてくるけれど、
まだそういった視点での解析報道は見られていない。
今この時点で、アメリカから「対日渡航禁止」というアナウンスがあれば、
その影響は東京オリンピックを含めてかなり広範に大きくなる。
そう考えれば、日米間で事前「擦り合わせ」がないということは考えにくい。
安倍さんが、急遽学校閉鎖方針を打ち出し記者会見をセットしたことも
この文脈から考えるべきなのかも知れない。
ここで時間を稼いだのは、この後の事態の推移を予測すると大きいのかも。
感染病であるこの新型コロナの性格を考えると
やがてWHOから「パンデミック」という宣言が出ることは趨勢的に可能性が高い。
パンデミックの宣言以前にアメリカから渡航禁止になるのと
そのあとに多くの地域・国家とともに渡航禁止にされるのとでは
国際関係的に大きな違いがあるという理解が常識と思われる。
首相会見で繰り返し「最悪の事態を想定して」というコトバが発せられていたが、
そのような「国家の危機管理」が発動されているとみなせる。
「WHOのパンデミック宣言」はいま、タイミングを見計らっている段階ではないか。
そういった状況になったとき、どういう事態が発生するか、
日本の世論状況がどうなっていくか、胸突き八丁の局面が近いのだと思う。
2008年の新型インフルエンザでは「誤パンデミック宣言」と言われた先例があり
さらに中国傾斜の大きいWHOへの国際社会としての疑義もある。
北海道の状況も踏まえて、きわめて身近な危機だと思わざるを得ない。
Posted on 3月 1st, 2020 by 三木 奎吾
Filed under: 日本社会・文化研究, 状況・政治への発言
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