しばらく現実世界とはやや離れた過去住宅取材にブログで没頭(笑)。
それは一種の「ライフワーク」といえるので、
今後とも継続していく考えですが、現実世界も大きなうねりが。
マルクスではないけれどいま現代世界は
「グローバリズムという怪物」への対応が試されているのではないか。
日本では「現代史」というのはほとんど学校で学ばない。
それを忌避するなにかがあって、現実の現代世界の中で
日本はどう舵取りしていくべきか、という「現実論」が出てこない。
空想的理想論はなんの役にも立たないのは歴史が雄弁に物語るのに。
情動的な「正義感」論に欺されてはいけない。
ちょうど好きなNHK番組「英雄たちの選択」スピンアウト版で
「昭和の選択」と題して太平洋戦争・真珠湾攻撃に至った
山本五十六連合艦隊司令官に焦点を当てた番組があった。
これまで過去史について楽しく学ばせていただいてきたけれど、
いかにわれわれが、敗戦にまで至った状況「解析」すら忌避してきたか、
深く考えさせられてしまった。
開戦直前まで対米戦争回避論の急先鋒であったかれは
開戦に向かおうとする海軍意志決定会議で
「重油はどう確保するのか、鉄はどう調達するのか」
という至極当然の論理を展開したけれど、多数派を形成できなかった。
なぜ多数派工作出来なかったのか、という個人の資質もあるだろうけれど、
背景としては情動的な「国民世論」が強すぎた様子がわかる。
<このように番組編集されていたわけではない。わたしの見解。>
この当時はインターネットがない時代なので、情報はひたすらマスコミ、
それも新聞に局限され「扇動」された世論に引きづられる。
日露戦争では英米資本からの「戦費調達」が戦略的成功し、
奇跡的な日本海海戦での勝利という僥倖が重なって、
なんとか戦勝国の立場を形成できた。基本的には日英同盟の結果。
しかしそのような抑制的な認識は、マスコミの情動報道姿勢で
国民的には「勝ったのに、戦争利益が少ない」みたいな方向に向かった。
日本海海戦にしろ、真珠湾攻撃にしろ、
日本は短期的な局面では驚くべき成果を挙げることが出来る国家だけれど、
しかし、戦争を冷静に領導できるほどの「民主主義」世論を
社会として持つことが出来なかったのだと思う。
ひるがえって現代。いま「グローバリズム」という怪物が主役だと思える。
EUという広域通貨圏が誕生しグローバリズム支配が貫徹かと思われたけれど
それこそ「民主主義の発祥地」イギリスがブレグジットの道を選択する。
民主主義らしいプロセス重視の結果で混乱が続いたけれど、
来年早々にEUからの離脱に完全に道は整頓された。
アメリカでもトランプという既存マスコミから「バカにされた」指導者が
大統領に就任して、いま「弾劾」を左派政党・マスコミから
突きつけられているけれど、現状の冷静な分析からは来年「再選」の
可能性が高まってきているとされている。
アメリカのこの「政変」もまた、反グローバリズムの表現だろう。
現代ではグローバリズムはむしろ既得権益側に根拠を持っている。
結局、グローバリズムの負の側面、移民による治安の悪化
国民国家社会自体がシロアリに食い尽くされるような危機を忌避し、
社会が毀損することに「民主主義」が本能的に異議申し立てしている。
この異議申し立てについて、既成マスコミはむしろ反対の立場を取っている。
「バカなトランプ、ブレグジット」という印象操作。
既存メディアの「世界はひとつ」的なお花畑スタンスぶりは驚くばかり。
その功あってか、日本では消費税が8%に新聞は据え置かれた。
恥も外聞もすべてなくなっていると思える。
いい加減に、自分たちは「既得権益・絶賛応援団だ」と自白すべきだ。
まるで既得権益化したグローバリズムが正義だといわんばかり。
グローバリズムで最大の利益享受者は共産党独裁国家中国であり、
相対的割安通貨ユーロを手に世界での経済利得を得たドイツの両者だろう。
よくみれば、大状況はふたたび世界大戦的緊張局面に向かっている。
北朝鮮の危機も非常に高まっている状況だと思う。
既成メディアは日本人から冷静な国際判断力を奪わないで欲しい。
民主的な国家体制、海洋国家英米との日本の基軸的同盟関係への試練は、
深く現在進行しているのではないかと危惧されます。
Posted on 12月 22nd, 2019 by 三木 奎吾
Filed under: 状況・政治への発言
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