本文へジャンプ

【過密地住宅「遮蔽なしで成立する窓」が基本】

きのうは山形市の東北芸術工科大学にて
同大学の教授である竹内昌義さんが「ファシリテーター」になっての
「住宅設計セミナー」が開催されていました。
旧知の竹内さんに加えて新潟オーガニックスタジオの相模稔さん、
そして今回初めてお目に掛かった日下洋介さんのいうメンバー。
山形の状況も知りたいということで参加してきました。
それぞれに興味深く、またいろいろなきっかけになりそうなことも
たくさん発見できて,大変有意義でした。
竹内さんからはじめに「(東北の方はシャイなので)質問がなくツライ(笑)
ので、ぜひあとでよろしく」みたいなフリがあったので、
シャイでは負けてはいない北海道人として、奮起して
いちばん初めに手を上げて質問したらそのあとたくさんの質問。
かえって時間が最後押せ押せになって盛況だったようです(笑)。
ということで、行った役目は果たせた次第。

で、セミナーの内容については多岐にわたるので、
いっぺんには紹介できません。
そのなかで初対面でしたが、その姿勢に同感できた日下さんの
発表の中での印象的なコトバが表題のもの。
発表されていた住宅事例、というか、設計プランの趣旨紹介では
過密住宅地での設計手法について丹念に説明されていた。
こうした条件の敷地はたぶん大阪に限らず、全国の都市住宅は
同じような条件にさらされている。
そのときに、窓をどう開けるかは、最大の設計ポイントになるでしょう。
この事例では「外部との交感」を中庭空間で実現させ、
隣居との目線に煩わしさのある方向にはほとんど開口させていない。
そのなかで南面正面道路側には唯一、大きな「ハイサイドライト」。
これは外観デザインの最大のアクセントにもなっているけれど、
この開け方を説明するときにこの言葉が発されていた。
「住宅の窓を考えるときに、その窓はブラインドやカーテンなどの
外部視線遮蔽の必要性があるかどうか。
ナシでも成立するかどうかをいちばん考えています」
ということでした。
これって、窓のデザインの基本だと思って聞いていました。
わが家でも密集地域に立っているので、
最初の新築プランニングの時、いちばん考えたポイント。
ただ、わが家の場合、数カ所はクリアできなかった。
「そのときは、ある意味、外部視線との勝負(笑)」みたいなことが
設計者と話し合っていた。最後のギリギリの局面では
そういった「決断」も必要にはなると思いますが
しかし、基本は日下さんの言うことがまったくその通りだと思います。

まぁ設計者のひとつの住宅の丹念な説明を聞くのは
考えてみれば久しぶりで、興味深くたのしく共感を持って
聞くことが出来ました。日下さん、ありがとうございました。

コメントを投稿

「※誹謗中傷や、悪意のある書き込み、営利目的などのコメントを防ぐために、投稿された全てのコメントは一時的に保留されますのでご了承ください。」

You must be logged in to post a comment.