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【東京都内のある住宅展示場にて】

所用があってきのう仙台から東京に来ております。
で、すこしの待ち時間が発生したので、住宅展示場を見学。
ふむふむ、はてさて、でありました。
特定の企業名、住宅展示場名は表記を避けますが、
ちょっとビックリの光景を見させていただいた次第。
首都圏などでは鉄骨の住宅がよく作られている。
いわゆるハウスメーカーという存在は工業化・プレハブとして
スタートしたその経緯があるということなのでしょう。
そもそもは戦後高度成長期に住宅が大量生産の必要性があるという
そういった社会背景があって政府肝煎りでの「ハウス55計画」という
既存の大工・工務店組織の対応絶対量の不足から
大量生産住宅企業の育成が政策的に取り組まれてきた経緯がある。
この国の官僚機構と高度経済成長の関係が
この住宅産業構造形成に大きく関わってきた実態を表現している。
もうすでに、その「大量生産」の必然性は消失していると思うけれど、
そういった「残滓」として、大量生産と住宅展示場モデルハウス群、
というのは一対の関係性を持ってきたのではないかと思います。
<余談ですが、いま地域自治体としての北海道建設部が
地域住宅建築業界に関与している南幌の事例はまことに稀有。>
モデルハウス見学というのは住宅雑誌を購入するよりも
より大きなユーザーの住宅検討機会とされる現実がある。
週末には住宅希望のユーザーをあの手この手で来場勧誘している。
ただ「どう見るべきか」という常識は存在していない。

ある住宅モデルハウスで驚かされたのは、
建築構造の鉄骨がそのまま、外側に露出していたこと。
3階建ての建物の「空中中庭」的な部分にムキ出しの鉄骨を発見。
この鉄骨はどうも内部の鉄骨構造に連結されているようだった。
いくら首都圏でも最低気温は零度を下回ることも多い。
そういうときに熱伝導として鉄骨構造は弱い。容易に結露する。
それが繰り返されると構造強度自体の劣化も避けられない。
北海道の常識からすれば、ちょっと怖ろしい。
さらに、ベランダなどで全開放型のサッシというのが多用される。
それがモデルハウスらしく、目を驚かすように各所で使われていた。
数カ所ではその先にベランダデッキ床のない開口部にまで使われていた。
そうすると法令的に危険防止のために手すりが必要になる。
掃き出しの全面開放型サッシの手前にそういうストッパーが装置される。
「???」という疑問がアタマのなかをグルグル(笑)。
そう、「まったく意味が無い」。
外に出られるワケでもないのに全開放型サッシをそこに使って
さらに危険だからと手すりストッパーを設置する。
これが「モデルハウス」なのだという。
さぁ、このモデルハウスの「見どころ」はどこなのかと考え込んだ。

って言うような次第で、疲れが一気にやってきていました。
これは、「モデルハウスの見方」という普及啓蒙を
仕掛けていく必要があるのかも知れないかと。
<写真は資料映像で本記事とはまったく無関係です。>

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