北海道から本州地域をあちこちと行脚していると
どうしても先般の「ブラックアウト」のことが話題になる。
で、そういうときに自然エネでの太陽光発電どうこう、という話題になる。
太陽光を屋根に乗っけて緊急時、それで発電した電気を蓄電池代わりの
電気自動車に充電させておいて、それから家庭用の電気として緊急電源利用する、
というような「未来形」がよく語られている。
こういう議論を聞く度に、温暖地の思考だと感じさせられる。
そもそも北海道などの寒冷地域で電気自動車って現実的なのか?
ウォールストリートジャーナルの記事などをよく見ると
「自動運転」という社会実験はどうも現実化しそうもないと思われるのですが
それ以上に、電気自動車を寒冷地の人間がホントに購入するのか、
という強い疑問を持たざるを得ない。
写真のような光景がわが家周辺では、あと1カ月もしたら現実化する。
当然外気温は常時マイナスで最低気温が零下20度超というのも日常化する。
クルマというのはたいへんな「低気密・低断熱」なシロモノで、
「断熱気密」という概念からはまったく縁遠い。
なので、当然のようにフロントガラスといわず全ガラス面は凍結する。
ガソリン車の場合、動かす前に「デフロスト運転」をさせながら、
クルマ全体の雪を払い落とすのが寒冷地クルマ社会の「常識」。
この習慣化された動作を電気自動車に対して行ったら、
スタートした途端に「燃料切れ」ということが起こりうる。
そこまでひどくなくても、100km走れる「充電状態」だったものが、
その半分まで「運転可能距離」が大きくダウンする。
現実に北陸で起こった交通マヒで、折から寒冷気候だった時期に
このように電気自動車が動かなくなってさらに交通渋滞を加速させた。
で、われわれ北国人は相当に電気自動車というものに眉唾認識を持った。
そういう伏線があって、例のブラックアウトがやってきた。
温暖地域の人からの「アイデア」で、最初のような提起があるけれど、
われわれ北国人としては一笑に付すしかないのですね。
北国の冬の現実では、なんちゃって4WDでは冬道からの脱出は現実的でない。
ハイブリッド車でもキビシイ冬道には太刀打ちがむずかしいときがある。
やはり石油エネルギーの正調4WDのパワーが不可欠なのです。
いわんや、凍結したガラス面を解消させるデフロスト運転は不可欠な性能。
・・・なんですが、どうも最近の情勢を見ていると
まさに人口規模での「多勢に無勢」感が非常に強まっている。
いまの「進歩」の方向は、どうも寒冷地無視型の傾向が強いのではないか。
そういった「猜疑心」がどうしても抜けない日々であります。
Posted on 11月 4th, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
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