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職業性・地域性って?

写真は石垣島の古民家の間取り図。
敷地の上に住宅は建つわけだけれど、
やはり敷地の広さと家づくりは、その文化性も含めて一体のものだと思う。
石垣のような温暖地域の場合には
伝統的に建物は用途的に分離した棟が
いくつか建てられているケースが多い。
東南アジアなどでもよく見られる住宅スタイルのようですね。
こういうのって、当然ですが
ゆったりとした敷地が前提であって
「家」という概念が、主屋だけで考えられず、
いろいろな機能分化した建物が役割分担しているのが明瞭。
暮らし方としては、農家住宅。
過不足なく必要な生活装置機能が振り分けられて
あとは気候条件などの外的環境に対して対応するという
要素が明確になっています。

ひるがえって、今日建てられている
およそ、職業性を反映していない現代生活装置としての住宅って、
後世の人たちは、どのように現代生活を理解するのか
ちょっとわかりにくいかもしれませんね。
「いったいこの時代の人たちは、どう生きてきたのだろう?」
って、疑問に思うかも知れません。
現代では、農家住宅を含めて
その職業性というのは、ほとんど見いだしにくい。
また、宗教性を表現するような空間もほとんどない。
「なんのため」という要因を現代住宅から探り出すのは困難ではないか。
現代の生活が、無名性・没属性的な暮らしであるということを
表しているのかも知れません。
どんな地域でも同じような住宅が建てられるというのは
その分、暮らし方が均質化して、
地域による偏差が少なくなっていると言うことを表しているのか
作り手の側、あるいは建てる側の意識の問題として
そういうような個別性に考えが及ばないようになっているのか。
どうも、いろんな事が浮かんでくるなぁと思います。

まぁ、確かに個性的な暮らし方でなければ
その職業を維持することができない、みたいなものは
あんまり考えられなくはなってきている。
でも問題は、そういう社会性の均質化と、
地域の気候風土対応は本来別に存在して
むしろ地域性というのは、表現されやすいのに、
そう言った部分でも、日本全国同じような住宅が建てられ続けているほうが
むしろ、ちょっとおかしいことなのかも知れません。

さて、本日は住宅取材を終えて
明日からは再び、あちこちと出張が控えております。
頑張らねば、というところ。

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