きのうは地域工務店グループ・アース21の札幌南例会。
札幌は190万人都市なので、周辺地域も広大に広がる。
今回はどっちかというと、郊外型立地の周辺での住宅を見学してきました。
とくに札幌近郊の「南幌町」では、北海道内の建築家+地域工務店の
コラボによるモデルハウス群がいま、工事まっ盛りで進行中。
その様子も見学して来ました。
で、最初に行ったのがわたしの出生地にも近い武部建設さん。
社屋近くで「モデルハウス」を建築中ということで見学。
モデルハウスのコンセプトとしては
1 庶民の価格帯であること。
〜イニシャルコストはもちろん、ランニングコストも負担にならない〜
2 そのためには高性能でコンパクトであること。
〜いくら省エネでも大きければコストが嵩む〜
3 少なくとも100年は世代を繋いで一生涯暮らせる
〜汎用性があって可変性に富んでいる〜
4 シンプルで美しい,豊かなインテリア
〜いつも新たな発見がある〜
ということでしたが、まさに無意匠の意匠という雰囲気です。
専務曰く「冷蔵庫の底ざらい素材で料理してみました」という建物ですが、
階段の踏み板に真物のナラ材が使われていて驚愕。
プランとしては2階リビングの逆転プランを採用している。
やや郊外立地とはいえ、眺望要素が高い北海道での住宅では
そのメリットをさらに高めるには、こうしたプランの方が合理的だと。
で、そのプランのカギは「上がりやすい階段」。
毎日の暮らしでその住宅を楽しく感じさせてくれるのは
階段を利用するときの建築との「応答」ではないかと思います。
階段はしっかりと足下を見ながら利用する。
その踏み板の木目の細部に至るまで、人間というのは深く「感受」する。
そういうところにこそ、コストはたっぷりと配分すべきではないか。
そのポイントに、この家ではムクのナラ材を使っている。
また蹴上げの高さも踏み面の長さも「ゆったり」設計されている。
何度か上下してみましたが、ここちよさの「体感」がカラダに残る。
こういう無意匠の意匠はなかなかに心理をくすぐってくる。
また建物の構造はツーバイフォー工法で、
構造は外周面壁で成立していて、室内側では屋根面の過重を支える
2本の円柱だけで、あとは構造とは無関係。
開放的な空間性が確保され,その内部には質感豊かな素材が使われている。
構造が外周だけで成立していることには、コンパクトな面積が与っている。
コンパクト化させることがむしろ自由な空間を生んでいる。
今度もう一回、じっくりと見学・体感してみたいと思わせる建物でした。
Posted on 3月 1st, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 住宅取材&ウラ話
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