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【住宅建築は「どう生きるか」投企する機会】

きのうは地域工務店のグループ・ソトダン21のセミナー・新年会。
ことしはじめての地元住宅関係者のみなさんとの顔合わせ機会でした。
さまざまなみなさんと会話できてたいへん楽しいいっとき。
いま進行中の日本建築学会「地球の声」拡大委員会の件など、
ホットな情報交換もできてたいへん有意義でした。
セミナーでは、旧知のみなさんの発表があってそれぞれに興味深く拝聴。
そのなかでも年代的に近しい山之内裕一さんの発表には
深く頷くような語り口があって、味わい深かった。
やはりある年齢を重ねてくると、家を建てることと人生そのものとが
オーバーラップして感じられるようになってくる。
設計者と同意しながら進める住宅建築、その空間に刺激され、
それがそのまま、生きることに影響があるのではないかという問いかけ。
振り返ればわたしはいまの家に深く生き方への衝動を受けたと思う。
この家で暮らしてきて本当に面白かった。
そんな住体験を持つことは素晴らしい。そのことに気付かされた。

住宅は住む人の人生を左右する。
あなたが住んだ家は生きることを刺激してくれたか?

山之内さんはわたしと同じでブロック外断熱の家に志向性を持ったひと。
いまはあまり建てられなくなった建築だけれど、
わたしはこの荒々しい質感の空間でたのしく生きて来られた気がする。
建ててから27年、変遷はたくさんあるけれど、
あるプライドを持てるということは素晴らしいことだと思う。
若いときフランスの哲学者サルトルの「投企」というコトバに出会った。
なにごとかに自分の生き方をぶつけるというような
そういう鮮烈なイメージを刺激された記憶がある。
家を建てると言う行動は、そのような意味合いに近いかもしれない。
自分自身から出自してくる内面的な衝動が、
家というカタチに有形無形に仮託されていくように思われる。
一度「投企」してしまえば、あとは全力で生き抜いていくしかない。
家づくりにはそんなふうに捉えられる部分が抜けがたくある。
ブロック外断熱の家は、うれしいことに長期耐久性がある。
まだまだ腰をじっくり据えて戦える、そんな実感がある。
楽しい酒を飲むことができた。

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